2008年にリタイアしてから多くの国へ旅行してきたが
最近は体調のせいでコロナが終息しても多分長い旅行はできない。
今でも心残りなのは最後のイギリスと、ミシシッピ・リバー・クルーズと、
ヨーロッパ横断のオリエント急行。
それと、もう一つ行きたくて行けなかったのがポルトガル。
映画「リスボンに誘われて」を観て気持ちかき立てられ
友人のへーちゃんから熱烈に薦められたこともあり
具体的な予定まで立てながら色々あって諦めざるを得なくなった。
結局そのまま今に至る。
ポルトガルには「ファド」という伝統的な民族音楽がある。
その「ファド」をリスボンのパブで一度体験してみたかった。
ワールドミュージックだとかユネスコの無形文化遺産だとか言うと
急に胡散臭くて面倒くさくなるので
「哀調を帯びた哀愁のメロディは日本の歌謡曲に通じるところがある」
アマリア・ロドリゲスという女性歌手が
日本で言えば美空ひばりくらいの伝説的国民的歌手だったそうだ。
私たちはスペインのフリオ・イグレシアス、ミゲール・
私も80年代にEPICに残っていたらポルトガルに手を出していたかもしれない。
ワールドミュージックとしてではなくあくまでヒット曲志向で。
ファドの世界にも山口百恵のような若手もいたんじゃないかしら。
そのファドを圧倒的に歌いこなしていた日本人歌手がいる
姿を消して数十年もたつのに未だに人気の「ちあきなおみ」だ。
ちあきなおみといえばどんな番組も「喝采」ばかりで、
あとは佐藤剛さんが本にした「黄昏のビギン」と
オリジナルはこの人だった「矢切の渡し」止まりと思う。
そのちあきなおみの1983年のアルバム「待夢(タイム)」が
多くのファドをカバーしていてこれがメチャクチャいい。
とんでもなく素晴らしい。
例のアマリア・ロドリゲスの「難船」をカバーした「霧笛」も
「O Meu e Teu(邦題知らない)」カバーの「愚痴」も。
youtubeがあるのでオリジナルとちあきなおみを聴き比べてみる。
「難船」アマリア・ロドリゲス
https://www.youtube.com/watch?
「霧笛」ちあきなおみ
https://www.youtube.com/watch?
「O Meu é Teu」アマリア・ロドリゲス
https://www.youtube.com/watch?
「愚痴」ちあきなおみ
https://www.youtube.com/watch?
日本語詞は恐らくすべて「喝采」の吉田旺。
それと、もう1曲、アルバムA面1曲めの珠玉の名曲、歌声。
これに止めを刺すような曲。たまらなくうまい。
また、とても外国曲と思えないポルトガル民謡。
「秘恋」ちあきなおみ
https://www.youtube.com/watch?
以前、旅先でポルトガル人のおじいさんから
「日本人かい?」と話しかけられたことがある。
「日本とポルトガルは昔から仲がいいんだ。
昔から貿易していたし『カルタ』も『カステーラ』
もポルトガル語なのを知ってるかい?
これからも仲良くしよう」なんて言われた。
歴史好きのポルトガル人だったのだろう。
そんな私は今でもリスボンに誘われている。