<音楽はサブスクで楽しむ>というスタイルが始まったのは
つい10年くらい前のことだったと思う。
CDが生き残った日本ではなかなかサブスクでの
ストリーミングが定着するのは難しいと言う人もいたがどっこい
日本でも昨年は75%がサブスクだ。
今じゃ世界の音楽ファンのほぼ8割の人がそれで聴いている。
一方で数字は小さいけれど、
マニアやDJ向けと思われていたアナログレコードは伸びている。
ブックオフもアナログの買取りを積極的にやっている
私は幼児の頃のSPからドーナッツ盤、LP、カセットテープ、
CD、MD、ダウンロードと時代の流れに沿って音楽を聴いてきた。
今、断捨離をする際にカセットテープ、CD、MDは
意外とすんなり処分できるがアナログのシングルとLPは捨てられない。
売る気もないので当分はそのままだ。
アナログだけに焦点を合わせた雑誌がある。
2002年に創刊された季刊誌で雑誌名はそのまんま
「季刊 analog」
https://news.yahoo.co.jp/
日本のCD売上は1998年にピークを打っているから
2002年創刊時はまだまだ<音楽聴くならCD>だった時代。
そんな中アナログ・オーディオ専門誌を産む勇気って
どうだったのだろう。
しかも装丁は手が切れるような高級紙の全ページ4C。
以前は今の倍くらいの厚さがあったから
(こんなんで採算取れるんだろうか)と思ったほどだ。
まず手にすると
(こういう上級者向けのオーディオ誌は私にはちょっと・・)と
尻込みしちゃいそうではあるのだが
この雑誌の最大の特徴でもあるのは
初心者でも理解できる懇切丁寧な解説・説明だ。
マニア間でよくあるマニアだけに通じる記事とは違う。
クラシック、ジャズ、ロックと、音楽が主役だからだ。
かと言ってアナログ入門編ではない、あくまでクォリティは高いのだ。
2006年にザ・クラッシュのアナログ・シングルをボックスにした
「The Clash Singles '77~'85」
この取材を受けて以来、音元出版さんから毎回「季刊 analog」が届く。
1月、4月、7月、10月に(もうそんな季節か)とまさに季節を感じつつ
正直な話、オーディオ関連記事は高級機願望のない私はほぼパスしつつ
人物インタビューやLP特集にはよく目を通している。
できるならば、私らでも手を出せるような
大衆向けオーディオももう少し多く扱ってくれるととは思う。
繰り返すが2002年、アナログが衰退に向かう中で創刊された「analog」誌は
預言者じゃあるまいからその時点でアナログ復興が予測できていたはずはない。
このサブカルチャー誌に時代が追いついたということかもしれない。
「曲は短い方がいい」「イントロも短い方がいい」の
サブスクによるヒット曲の逆を行くような重厚な雑誌の成功を祝福したい。
最後に付け加えたいのだが、
一見アナクロな雑誌のビジュアルよりもずっとこの会社は時代を見ている。
「音元出版のデジタルマガジン読み放題サービス」
「月額1100円で音元出版の主要雑誌電子版が読み放題に!」
ははは、しっかりサブスクじゃん。