朝日新聞夕刊に長谷部宏さんが載っていた。
記事のタイトルは「ビートルズを最初に撮った日本人」
4月に出版した写真集と30日までやっている写真展の告知だった
https://www.musiclifeclub.com/
長谷部さんはそのタイトル通り
1965年に「Music Life誌」の星加ルミ子さんが
日本人として初めてビートルズを取材した時のカメラマンとして知
これだけでもう充分にレジェンドなのだが
来日アーティストのMusic Life誌の取材のカメラは毎回長谷部さんなので
海外アーティスト全員から「Koh」「Koh」と愛された。
音楽の世界では間違いなく世界一有名な日本人カメラマンと思う。
英語が必ずしも得意でなくても、まるで落語家のような江戸弁で
「もうちょっと右、あごを引いて」と注文を出すと
不思議なことに小難しい大物アーティストでも
大体言うことをきいてその通りのポーズを取ったものだ。
撮るのが早いのもアーティストは喜んだ。
カメラを取っ替え引っ替えして
あっという間の「OK!サンキュ!」だった。
当時の写真はフィルムだったがモータードライブで連写する
シャパシャパシャパッという音が気持ち良く響いていた。
私の担当ではチープ・トリックのリックが長谷部さんのファンで
日本に着くとすぐに「Kohはどこにいる?」「今日は来ないのか?
「at 武道館」のジャケットには長谷部さんの撮影したものも使われている。
長谷部さんがビートルズを撮ったのは
日本デビューの翌年、来日公演の1年前の1965年6月。
その少し後だけど星加さんはこんなに可愛いかった。
私は田舎の高校2年生。
ビートルズが表紙のMusic Lifeをむさぼり読んでいた時には、
まさか将来この歴史的な星加さん、
一緒に仕事ができるなんて想像も妄想もしていない。
これは私と同じ歳で後に編集長となる東郷さんも同じ想いだそうで
シンコーミュージック入社初日に星加さんにサインを貰いに行き
草野専務に怒られたというエピソードに痛くシンパシー感じた私だ。
長谷部さんに撮ってもらった写真が1枚だけある。
1985年2月、ミック・ジャガーのソロアルバム「シーズ・ザ・
取材にパリに行った時のもの。
湯川先生、山川健一さん、東郷さんの順でインタビューを終え
東郷さんがミックと雑談し、長谷部さんが機材を片付けようとしているところに
「長谷部さん、一生のお願い、
「珍しいね、野中さんが」
正真正銘の Photo By Koh Hasebe 、これは家の額に入れて飾ってある。
長谷部さん、先月で91才になられたそうだ。
これからもどうかお元気で!
「ジャスト・アナザー・ナイト」ミック・ジャガー(1985年)