みかんとりんごが届いた。
両方とも本当に美味しい。
みかんは、昔、母が食べて庭に蒔いた種が芽を出し育ち木になった。
その木になる実は秋の風物詩として眺めていただけだったが
試しに食べてみたらこれが意外に美味しかったのが始まりで、
今では多く実るみかんを楽しみに待つようになった。
ほぼ野生化している皮は固いが中は甘いから
息子や孫にも評判のいい素朴な「野中農園みかん」だ。
りんごは、こちらは本物の信州りんご。
肥料も除草剤も使用せず、実に袋をかけることもなく、
色を付けるために地面に敷くシートも使用せず、
木で完熟してから収穫するという「武田農園」こだわりのりんご。
http://horikoshi-matsutake.jp/
「見た目は多少劣るが味には自信がある」という通り、甘い!
正直なところリンゴがそれほど得意ではない私にも
これはうまい。
最近の果物の人気は、いちご、桃、梨、メロン、みかん、マスカット
などに集中しているという。
私ら昭和の生活の中での果物といえば
スイカ、ぶどう、柿、ざくろ、いちじく、ビワ、みかん、
そしてたまにバナナ、程度だった。
(桑の実や栗やナツメもあったけどあのへんは果物とは言わないのだろうか)
今ではスーパーに当たり前のように並んでいる
アボガド、マンゴー、キウイなんて当時はなかった気がする。
このように書いてみると、昭和が食べていた果物は
人んちの庭の木になっていたものが多い。
小学生の時はそういう柿やビワをよく失敬したものだ。
見つかって逃げたら後でそこの家のおばさんが「どうぞ」
なんて家にまで持ってきてくれたりもした。
「果物」がどんどん品種改良されて甘い「フルーツ」になっていく中、
放ったらかしの実家の庭のみかんと
農薬など使わない分だけ手塩にかけて生産している
武田農園のりんごを同列に語ることはできないけれど
自然の太陽の光を浴びて完熟した果物が
こんなにも甘く美味しいという事実は
単なるノスタルジーではない年末の嬉しい発見だ。