レッド・ツェッペリンは1971年と翌72年の2回だけ来日している。
幸いなことに私はその2回とも見ることができた。
特に1971年の初来日は大学4年生だった私にとって
1ヶ月前の箱根のピンク・フロイドより遥かに衝撃は大きく
その後の私の「ロック観」のベースになっている。
前にもこう書いた。
「密室の大音響」にやられた。
加えてあの当時のロバート・プラントとジミー・ペイジのビジュアル、
ライオンのような美しい長髪がロック・ミュージシャンとして無敵だった。
ツェッペリンの武道館で「ロックは見た目だ」と確信した。
どうやら私は業界に入る前から
ミュージック・ライフのカラーグラビア的価値観の男だったみたいだ。
私は「作品が素晴らしいアーティスト」の中の
「見た目のいい」人間こそが「私のスター」だと思っている。
「見た目がいい」には色々あるが東郷さんもこの説に85%は賛同してくれると思う。
その来日時のムックが、ミュージックライフのシンコーミュージックから
昨年発売になっている。写真は長谷部さん。
「レッド・ツェッペリン ライヴ・ツアー・イン・ジャパン1971&1972」
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid1648102/
そして先週、同じシンコーミュージックからこれが発売になった。
「レッド・ツェッペリン大全」
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0647424/
こちらはイギリスの音楽誌「CLASSIC ROCK」が編纂したもの。
メンバーや関係者への取材に基づき、結成から解散~再結成、
そして完全にピリオドを打った2007年12月10日のライブまでを完全ドキュメント、
とある。
今、その本を手にとって見ているのだが、これは読み応えあるぞ~。
パラパラ読んだだけの感触で言うと
デビュー前から解散までの証言もデータもインタビューも深くて
これまで多く発売されているツェッペリン本の中では「研究本」と言えそうだ。
なんせ、A4版152ページに膨大な量の文章と写真がビッシリ。
ほぼすべてのページに写真が使われているのはいいがいかんせん活字小さっ!
ソフトカバーの書籍にして活字大きくしたら3冊にはなりそうなくらいで
読み終えるのに1ヶ月はかかりそうだからとりあえず紹介してみた。
実はこの日本語訳は友人の前むつみさんだ。
「すごい量の仕事だったね、お疲れ様」とLINEしたら
「イギリス人のライターの難解な文章をどのくらいまで平易な日本語にするか、
そのまま訳してもわからないような表現はどのくらいまで意訳にしていいのか、
とにかく今回は大変だった」というような結構長文の返事が返ってきた。
多分、キャリアの中でも記憶に残る仕事だったことだろう。
「クラシックロック誌」のこの「レッド・ツェッペリン大全」を読めば
Ⅳまでの私でもファンの人に話を合わせられるかもしれない。
ブラック・ドッグ(1973年NYマジソンスクェアガーデン)
https://www.youtube.com/watch?v=6tlSx0jkuLM