政則さんとチンクエッティの話で飲むうちに
先日聴いたスコーピオンズのニュー・アルバム
「愛のために生きて~バラード・ベスト」の話になった。
明日11月22日発売
https://www.sonymusicshop.jp/
スコーピオンズはドイツのヘビー・メタルの雄、
イタリアのカンツォーネのジリオラ・チックエッティとは
縁も所縁もないはずのその二者の間に
このイタリアのプログレッシヴ・バンド「イ・プー」を入れると
話題の移っていった理由が分かって頂けると思う。
イ・プー「ミラノの映像」から「愛のルネッサンス」
このアルバムは1972年か3年か、CBSソニーから発売されて
担当は高久さんだったんじゃないかな。
映像は新録だ。
https://www.youtube.com/watch?
後年イ・プーの評価が高くなり(へ~)と思ったものだが、
その(へ~)はもしかしたらドイツのハードロック・バンド
スコーピオンズの初期の評価と重なるかもしれない。
ロックはアメリカとイギリスのもので
(ヨーロッパのロックってホンモノじゃない)
みたいな風潮が確かに1960~70年代はあったはずだ。
ただ、今になって改めてチンクエッティからイ・プー
北欧のメタルバンドやスコーピオンズのバラードを聴くと
明らかに共通するヨーロピアン・タッチというか
ヨーロッパだからこその情緒溢れる切なさ、
リリシズム、哀愁、感傷といった
日本人の大好きな感情をくすぐる何かが実感できる。
それってもしかするとクラシックの歴史や風土に
関係するのかもしれないが、私には残念ながらわからない。
伊藤先生に解説してもらわないといけない。
で、このスコーピオンズのバラード集。
一般的にヘビーメタルと聞くと、
バンドもファンもむさくるしい長髪に鋲打った革ジャン
タトゥーいっぱいの腕でヘッドバンギングのイメージがある。
このスコーピオンズもLPジャケットが問題起こしたり
アルバム邦題も「恐怖の蠍団」「復讐の蠍団」などなので、
一般のポップス・ファンの人からは
(私はそういうのはちょっと・・)と敬遠されそうだから
これはブラインドで聴いてもらったらいいんじゃないか。
このジャケット・デザインに「愛のために生きて」という
アルバム邦題が実にピッタリ合う。ヨーロッパじゃ~。
「愛の・・」の原題は「Born to Touch Your Feelings」、
1977年の「暴虐の蠍団」終盤に収録された曲が
今回のアルバムでは1曲めにアンプラグドで収められた。
全体通してクラウス・マイネのヴォーカルがいいんだわ~。
こういう叙情的なメロディとアレンジは
アメリカのロックンロールからは絶対に生まれない。
元日本洋楽研究会の一員として
<ビッグ・イン・ジャパン>のバンドでもある
このスコーピオンズのバラード集を
普通のポップス・ファンの人に推薦したい。
では、彼らの代表曲を1曲
「スティル・ラヴィング・ユー」
映像は「禁断の刺青」(1984年)に収録されたバージョンだが
アルバムはセルフカバーのバージョンが収められている。
https://www.youtube.com/watch?
サンタナで「哀愁のヨーロッパ」なんて曲があった。
スコーピオンズがまさにそれかも。