音楽のジャンルは180度違う伊藤政則さんが隣で
「すごいなこの人」と何回も感嘆の声を上げた。
ジリオラ・チンクエッティという澄んだ空気に
我々うす汚れたおじさん2人は完全にやられた。
長いこと多くのアーティストのライブを見てきた。
ショーアップ度、歌唱力、楽曲、エンタテインメント性など
レベルとしては世界のトップとは言えないかもしれない。
それなのにただただ「すごいなあ、この人」と感動する。
こういうタイプの思いは初めてなので説明するのが難しい。
来月70才になるチンクエッティが、たまらなくキュートだ。
普通、デビュー54年と言えばそれなりに芸能の世界に染まってい
一般の人でも70才と言えばそれなりに人生が表に出るものだ。
ところがシンプルな白いロングドレスに身を包んだチックエッテ
しなやかで、か細くて、ギラギラ感も強い押し出しもまったくなく、
挨拶の仕草からリズムの取り方、すべて上品で美しく、
70才の女性に対してこう言うのはどうかとも思えるが、
可愛
30分の休憩を挟んで全27曲、2時間のステージ。
バンドは、ギター、ベース、ドラムス、キーボード2台、
プラス4弦とコーラスという10人編成。
特に凝った照明もなく音も素直でPA担当もリラックスしている
声質も変わっていない。もともと絶唱型ではない。
スーッと昔にタイムスリップさせられそうになる。
こりゃあ絶対に会わなきゃと、終演後政則さんと2人楽屋に行って
記念写真を撮ってもらったのだが
マネージャーからネットでの写真アップはNGと言われたので控え
顔には年齢相応の深いシワが刻まれていたものの
態度も笑顔も会話もやっぱりキュートなレディーだった。
あの空気はジリオラ・チンクエッティという歌手の
内面から出てくる<人間性>ではないかと私は結論づけた。
普通、歌い手に人間性を求めたりはしない。
でも彼女の場合、それが<歌>に出ている。
いいものを見たねー、と政則さんと2人渋谷で打ち上げた。
チンクエッティとの写真が使えないのでこれだ。
それと、これはどうしても伝えなければいけないこと。
今回のチッタ公演は16000円のチケットが2日とも即完売で
12000円の立ち見席すら手にすることのできない客が出た。
客層は100%が還暦以上。
そりゃあ40代くらいの人も数人はいたかもなので99.9%とし
完璧なターゲット・マーケティングの成立だ。
演歌でもフォークでもロックでも歌謡曲でもない人たちは、いる。
今日の曲はゆうべも当然歌った
「夢見る想い(1964年)」「愛は限りなく(1966年)」
その2つの優勝曲の間の、1965年サンレモ参加曲
「あこがれはいつも心に」にした。
https://www.youtube.com/watch?
それと、2014年のライブ映像らしいyoutubeがあった。
フランス語だからフランスのイベントだろう。
最近の姿に近い。曲は「雨」