超高層マンションが建ち並ぶ古くて新しい街の一角の
4人の腹周りの話題でひとしきり盛り上がる。
かなり高いフロアに佃さんは一人で住んでいて
時々自宅に仲間たちを呼んでワインと食事の会を催している。
家というよりお洒落なデートスポットのようなマンションに
4人の腹周りの話題でひとしきり盛り上がる。
泰造さんは毎朝1.5km泳いでいるという
佃さんは「なんたってエアロバイクでしょ」と言う。
兼森さんと私はお互いのぽっこりお腹を触り合う。
三々五々ゲストが集まってくる。
30代から40代の仕事真っ只中のグループ。
私らから見ればまだ若い人たちの会話にふと違和感を覚えたのは
世代間のギャップと言うよりも
現役と退職した者との音楽に対する距離感の違いで
それは突き詰めると<自分自身の変化>にあると気づいた。
退社してこの6月でちょうど丸5年になる。
ソニーミュージックOBであることに変わりはなくても
さすがにその間に会社に対するロイヤルティからは解放されている。
企業の中にいる人たちと違って縛りのない自由なスタンスで
無責任な発言ができるのが得られた特権みたいなものだ。
だからまた音楽を聴くことが楽しくなってる自分がいる。
もちろん若者たちにはこれからもその音楽の好き嫌いに関係なく
ただ夜景は綺麗でも高層ビルはやっぱり怖い。
それと、AORは高いビルに登り、ロックンロールは地下に潜る、という。
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根拠は何もないが納得できちゃう説だ。
いやいや、ごちそうさまでした。佃さん。.