業界を離れた身ではあってもこのニュースは衝撃だ。
<アナログレコードの売り上げがCDを上回った!>
RIAA(全米レコード協会)の2020年上半期報告によれば
(録音された)音楽の売り上げはステイホームの影響で
意外なことに今年伸びている。
スポティファイ、アップルミュージック、アマゾンなど
定額制ストリーミングサービスの伸長が理由だ。
利用者数は前年比で24%も増えたという。
MID-YEAR 2020 RIAA REVENUE STATISTICS
https://www.riaa.com/wp-
アメリカでの現在の音楽聴取方法はこうだ。
85%にまで達しているサブスクではなくてグラフの上の方でシュリンクし続けている
シェア7%のフィジカル(レコードやCD)のいわばコップの中の嵐の話ではあるが、
対前で47.6%も下降しているCDに対してアナログが3.6%の増加を見せたことで、
ここに1986年以来34年ぶりにアナログがCDを上回るという逆転現象が起きた。
いくらコップの中の事件でも、私のような古い人間にとってこれは衝撃だ.
「そんなことって、起きるわけ?!」と。
1982年10月1日、世界初の商業用CDが発売された日。
新聞やTVのニュースで「夢のコンパクトディスク」として紹介された。
記念すべき第一号はCBSソニーは
ビリー・ジョエル「ニューヨーク52番街」(35DP-1)と
大滝詠一「A LONG VACATION」(35DH-1)で
EPICソニーはフリオ・イグレシアス「イザベラの瞳」(35・8P-1)と
シャネルズ「Soul Shadows」(35・8H-1)だった。
この時の商品番号の頭の数字は価格を示しているので
今では1000円くらいのCD1枚が3500円もしていたことがわかる。
私もCD発売時は「新しい時代到来」とワクワクしたものだったが
その「新しい時代」は40周年を迎えずに去ろうとしている。
いずれ「CD時代終焉」のニュースが流れるに違いない。
そのフリオ初来日の映像があったので今日はこれにする。
フリオ・イグレシアスは担当のしげとちゃんと2人、
日本起こしのロゴ、ジャケット、邦題、キャッチコピー、CM、
マイアミからの夜ヒット衛星中継まで本気の手作りで日本洋楽した。
私のキャリアの中でも痛快な仕掛けの一つだった。
「ビギン・ザ・ビギン」フリオ・イグレシアス(1983年)
https://www.youtube.com/watch?
日本はアメリカと違ってまだCDは健在だ。
それでも2018年からソニーミュージックは
アナログ・レコードの自社製造を再開している。