新選組局長の近藤勇の刀が「虎徹」だったというのは有名ですが
一方で「虎徹を見たら偽物と思え」というのも有名な話だそうで
そもそも近藤勇の刀はニセ虎徹だったという説すらあります。
私の友人X君は虎徹にハマって二十数年。
数年前に念願の本物の虎徹の脇差を手に入れ
それが刀剣界の専門誌に紹介された時の喜びようたるや
大変なものでした。
偽物だらけの虎徹の中の本物だから脇差でもけたたましく高価で、
それをヘソクリで買い、嬉しくて踊り出したいほどなのに、
刀剣趣味は家族に秘密にしているため自慢できないどころか
見せられないし、言えない・・楽しみは家族が寝静まった深夜に
自分の部屋でこっそり打ち粉している時だそうです。
(その姿を想像すると怖いわ)
そんな彼との忘年会に行ったのは
新宿のイタリアン「プレゴ・プレゴ」
ここにかのX君は着席するなり
興奮気味にこれを取り出しました。
新選組刀剣研究家の権東品氏の鑑定書
近藤勇が持っていたとされる
「正真正銘のニセモノ虎徹」の鑑定書です。
単なるニセモノではなく「近藤勇が持っていたニセモノ」
とされるところがポイントで
それをX君は大枚をはたいて入手したと言います。
悪いけど笑っちゃいました。
「ばっかじゃねえの」
でもX君は
「また本で紹介されるんだ」
「京都の霊山歴史館に展示されるんだ」
とまったく意に介さず笑顔がこぼれっぱなしです。
鑑定書を見ると、金子堅太郎子爵が所有していた
長曽根虎徹興正と「推測される」偽物なのだそうです。
あ~あ。
まあ、偽物だとわかって買ってるんだから詐欺ではなし
「野中さんも買いなよ」と言ってくるわけでもなく
自分の責任で他人に迷惑がかかる話でもないから
しょうもないオヤジの道楽として聞いてあげています。
もちろん今も家族には内緒なのでX君の写真は載せませんが
いつかそんな秘密は絶対バレると思います。
でも争議にはならないでしょうけど。
私は彼のことをこう呼んでいます。
そんなこてっちゃんは置いておいて、
ここ「プレゴ・プレゴ」は絶対のお薦めです!
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13000927/
高級感はないけれど、イタリアンなんだから。
とにかく美味い、安い。コスパよし。
エゾ鹿と牛すじの赤ワイン煮とじゃが芋のグラタンも良し。
何より、名物のチーズリゾットが、完璧!!
たぶん、こてっちゃんよりうまい。
問題は満員で予約が取りにくいこととテーブルが狭いことですかね。
刀の自慢話以外は満足な夜でありました。
「近藤勇」村田英雄(1965年)