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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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ジョー・ストラマーのひいひいじいちゃん

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スコットランド出身のアーティストには

ベイシティ・ローラーズ、アル・スチュワート、ドノヴァン

シーナ・イーストン、シンプル・マインズ他、山ほどいるが

イギリス出身でも親や先祖がスコットランド出身だったりも多い。

リンゴ・スター、ロッド・スチュワートがそうだ。

 

クラッシュのジョー・ストラマーの母系祖母

ジェーン・マッケンジーはスコットランドの生まれ育ちというから

ジョーもスコットランド系になるだろう。

 

 

ジェーンばあちゃんの実家が凄い所なのだ。

スコットランド西のヘブリディーズ諸島にあるラッセイ島

人口は120人くらいらしい。

 

 

この風光明媚な島の中に残っている実家はこんな感じだ。

 

 

ジョーのgreat-great-grandfather、

つまり、ひいひいじいちゃんが建てた家は

こうして今も遺跡のように残り

クラッシュ・ファンの聖地になっている。 

そういう事実がなければいくら綺麗な島でも

ここまで来る人はいないかもしれない。

 

 

なぜ、ジョーのひいひいじいちゃんがこんな所に家を建てたかというと

ここから歴史の授業みたくなっちゃうが

18世紀半ばから19世紀にかけてスコットランドで起きた

<Highland Clearances(土地清掃)>という、

領主による大規模な農民追い出し行為によってだった。

 

スコットランドの西側のハイランド地方に入ってきた領主が

山や高原の多い土地は農業より羊の大規模な放牧の方が利益が出る

そちらにカジを切ったためにそこに以前から住んでいた農民は

結果的に他の土地に移住せざるを得なくなってしまった。

それを「農業改革」とか「土地清掃」と呼んでいるのだからヒドい話だ。

 

でもとにかくそれでジョーのひいひいじいちゃん一家は

この小さな島に移って来てこの家を建てて暮らし、

ここでジョーのジェーンばあちゃんが生まれた。

 

 

外交官だった父親の転勤の連続のため

両親と一緒に暮らすことが少なかったジョーは

ばあちゃんからこういう先祖の話を聞いていたんじゃないか

反権力の発想の原点はこのへんにあったんじゃないか

・・・なんて、これは私の勝手な想像だ。

 

ジョーは自分のルーツでもあるこの土地に

一度行きたいと言っていたらしい。

そう言っていながら結局訪れることなく

2002年12月に亡くなってしまうのだが

その遺志を継いでポール・シムノンが翌年ここに行っている。

ポールはスコットランド系じゃないのに。

 

その時の記事がこれだ。

2003年12月のスコットランドの新聞

サンデーヘラルド紙(2018年休刊)に掲載されたもの。

荒野の中を「聖杯探求の旅に似ている」だったそうだ。

 

https://damienlove.com/writing/chasing-a-shadow/ 

 

また、ジョー・ストラマーは地球温暖化対策のための

植林ボランティア活動に力を注いでいた。

そのジョーの支援に対し

イギリスのNGO「フューチャーフォレスト」がジョーの死後

スコットランドのスカイ島に

「ジョー・ストラマー記念林」を作ると発表したのは2003年だった。

そのスカイ島はジョーのルーツであるラッセイ島からもよく見える

ヘブリディーズ諸島の島だ。

https://www.nme.com/news/music/joe-strummer-16-1380572    

 

 

またラッセイ島には2年前に政府公認の蒸留所がオープン

シングルモルトの生産を始め来年2020年の発売を目指してるという。

 

http://whiskymag.jp/raasay_0/ 


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