”PUNK IPA”というビールがスーパーに並ぶようになってから
そのネーミングに興味はあったものの
値段がいつもの家飲み発泡酒の4倍近い
「330ml缶が400円」じゃ手が出せませんでした。
その「パンク」を結婚45周年の夜に
シャンパンの乾杯替わりに飲んでみることにしました。
IPAというのは「インディア・ペール・エール」の略で、
昔イギリスからインドに送るのに防腐剤の役もあるホップを
大量に投入したことから名付けられた香りも苦味も強い
ペール・エールのことなのだそうです。
そこに更に加えて「パンク」っていうくらいだから
ストロング酎ハイなんかよりもガツーン!とくるかと思ったら、
意外や意外、やさしい柑橘系の香りの美味しいビールだったので
すっかり肩すかしを喰らいました。
通常のビールの麦芽の2.5倍で、ホップは40倍も使っているのだとか。
だから値段も高いんでしょうけど、パンクが高いってのはどうも、ねえ。
それでもこの「PUNK IPA」はイギリスの国内の
クラフトビール売上ランキングで1位なんだそうです。
日本で言うなら「地ビール売上1位」
作っているのはスコットランドのブリュードッグという会社で
2007年に創業し、クラウドファンディングで資金を集め
創業わずか8年で70億円を売り上げるまでになり
先のイギリスの地ビール売上げランキングTop10には
6種類もランクインさせてるそうで
ほとんどビートルズかエド・シーランか状態。
直営のパブも経営していて、六本木にもあるそうな。
私は知りません。
どうやらビールそのものというよりもこの会社
理念とかマーケティング手法がパンクということのようで
創業者のジェームズ・ワットって人は
「ビジネス・フォー・パンクス」という本まで出しています。
それによるとブリュードッグの経営の根幹は"パンクの哲学"にあると
・始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ
・人の話は聞くな。アドバイスは無視しろ
・事業計画なんか時間の無駄だ
・嫌われ者になれ
・永遠に青二才でいろ
・すべてがマーケティングだ
・顧客ではなく、ファンをつくれ
「ずっと権威に逆らい、常識に挑むやり方を通してきた」
(うむ、そのへんのニュアンスは、わかる)
で、具体的なプロモーションや話題作りは
こういうやり方なのだそうですわ。
・マイナス30度の冷蔵庫に裸で入り、
・車にはねられたリスの死骸を、
・英国の国会議事堂の壁に、
・大量生産された他社のビールの瓶をゴルフクラブで割る
こういうのを「パンク」って言われても、なんかねえ、
ああそうですか頑張って下さい、としか言えないです。
本も読む気にならないし。
お願いだから「クラッシュが好き」とか言わないで欲しいです。
うちの夫婦はあと5年で金婚式、
その日が来るなら乾杯はパンクじゃなくシャンパンにします。
それまでの家飲みは発泡酒と安い白ワインでいいす。押忍。