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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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ブルー・オイスター・カルトとエアロスミス

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政則さんが懐かしいブックレットをスタジオに持ってきた。


1974年、B.O.C.とエアロスミスの日本デビューの際に
CBSソニーが共同で
「ヘビーメタル・キャンペーン」を張った、
その時の宣材の一つだ。


キャンペーンはシカゴ、サンタナなどの実績あるディレクター
磯田秀人さんが仕掛けるブルー・オイスター・カルトがメインで
モット・ザ・フープルしか担当してない新米ディレクターのしかも
イニシャル3000枚にも足らぬエアロスミスなんてバンドはおまけだった。
堤さんが磯田さんに「野中の面倒も見てくれ」と頼んだものだ。
だからこの場合エアロスミスがヘビーメタルかどうかは問題ではない。

<ヘビーメタル>という言葉は音楽業界では使われていなかった。
サンディ・パールマンがB.O.C.のプロデューサーとして使ったのが最初だ。
(これについては諸説あるものの、日本ではこのキャンペーンまで
<ヘビーメタル>なる単語は使われていない、それだけは間違いない)

それにしても恥ずかしくなるようなコピーが並んでいる。
ロックの正史を知ってる現在ではまったく的外れな赤面ものであっても
新人ディレクターの気合いだけは伝わってくる。


≪打倒ブリティッシュの旗手、エアロスミス
ニューヨークに爆発するヴァイオレンス・ロックンロール!
全米ゴールドディスクをひっさげて遂に日本デビュー!!≫

≪ニューヨークの夜に咲いたハードロックの5本の妖花
女陰マークに翼をつけて 行け、飛べ、はばたけ、エアロスミス≫


誰でも知っているようにエアロスミスはボストン出身であって
ニューヨークではない。ニューヨークにした理由は
当時はボストンにロックのイメージがまったくなかったのと、
事務所がニューヨークだったのと、この前年にデビューした
ニューヨーク・ドールズみたいに売れて欲しいと願ったからだった。

その後三大ロックバンドと呼ばれ、今では天下を取ったエアロスミスも
最初はこんな感じだったということだ。
ブックレットに寄稿してくれているのは水上はるこさんと大貫憲章さん
ふむ、あの時期なら適切な人選だ。

それにしても役立ちそうには思えない昔の資料も
こうして保管しておくとそれはそれで価値が生まれるものなんだな。
このキャンペーンで作ったB.O.C.とエアロの<メタル・ステッカー>
まだ持っている人もいるのだろうか。

偶然なのだがB.O.C.とエアロはその後アメリカで
骨肉の争いを繰り広げることになる、そのお話しはまた。


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