どこの大手チェーンもほぼ同じ商品揃えのように
フランチャイズの飲食店は当然同じ味だ。
一方、うまい寿司屋には必ず名物大将がいる
街のレストランもシェフによって味も評判も変わる。
レコードにもそういう時代があった。
高校生の私は仲の良いレコード店の人と話をして試聴して
やっと手に入れたLPを大事に抱え小走りに家に帰った。
そんな体験も今じゃCD購入は専らアマゾンばかりだから
店員の人と音楽について会話するなんて想像もできない。
今では<伝説>と呼ばれる輸入レコード店が南青山にあった。
骨董通りの「パイドパイパーハウス」には
日本のミュージシャン、クリエーター、編集者など
流行を発信する側の人たちが常連客として訪れていた。
時代は70年代から80年代、バブル前夜、渋谷系の始まる前、
アーバンというか都会的というか(同じか)
西海岸っぽい質のいい音楽を紹介してくれることで有名だった。
コミュニケーションの場にもなっていたようだ。
その中心にいたのが長門芳郎さんという店主だった。
現在は音楽プロデューサー&ライターとして活躍している。
その長門さんの監修になるLPが昨日発売された。
ケニー・ランキン「コロンビアUSシングルズ1963‐1967
8月23日発売
https://www.sonymusicshop.jp/m
ケニー・ランキンは70年代のA.O.R.
ソフト&メロウ系シンガー・ソングライターの代表格(らしい)
それなのにマイケル・フランクスなんかと違って
なかなかCD化されなかったり入手しにくかったり(らしい)。
(らしい)というのは私がこのジャンルに弱いせいだ。
知識として弱くてもこのLPを紹介したかった理由は
彼のCBSに残した5枚のシン
発売しようとあの手この手で考え実現させた長門芳郎さんと
ソニーミュージックの関口さんの共同企画に対するリスペクトからだ。
180gの重量盤、そして当然完全生産限定。
3400円。
採算分岐枚数が何枚なのかは知らないし
日本でどのくらい売れるのかもまったくわからない。
だけどもし世界向けも可能でビジネスとして成立するなら
英米に埋もれてる原盤の活性化として価値あるはずだ。
ジャケットのデザインも日本起こしなのにそれ風でいいじゃないすか。
裏ジャケットもいい。
こういう日本企画、ガンガン積極的に展開したらいいのに。
メジャーレーベルがやるところに面白さがあるんだから。
好きなのよ私こーいうの。
ジャズもクラシックもロックもあるじぇ。
なんて書きながら、実はまだこのLP聴いていない。
久しぶりのアナログは週末にゆっくり聴いてみようと思う。
その前にアマゾンでプレイヤーの針を買わなくちゃだ。。
へへ。