8月5日で公開が終わるのとサービスデーのせいか、
小劇場とはいえ平日昼間から一番前まで満席の札止め。
流行りの「事実に基づいた」物語ではなく、ヒーローもおらず
かなり口コミが効いていると思われる。
ようやく観れた。
それにしても日本公開が遅すぎ。
遅い上に、結果的に上映館も少な過ぎだ。
それにしても日本公開が遅すぎ。
遅い上に、結果的に上映館も少な過ぎだ。
1950年代初め、アイルランドの小さな町からニューヨークに
やってきた主人公は大都会の中で真面目に働き恋に落ち結婚する。
姉の訃報によって一時帰国、そこでちょっとしたできごとが起きる。
流行りの「事実に基づいた」物語ではなく、ヒーローもおらず
カーチェイスもなく殺人も起きず、熊もスパイも弁護士もいない、
淡々と進む物語、これがどうしてあの派手なアカデミー賞の
今年の作品賞、主演女優賞、脚色賞3部門の候補になったのか
不思議に思えるほどの地味な作品。
今年今までで一番と思う「さざなみ」も地味ではあったけど
(氷河の中から50年前の恋人の遺体が発見された)
なんていうとんでもない設定の映画だったのにくらべると
こっちは<普通の女性>が<普通の人生>を送る話。
ただ
この監督のことは知らないんだけど、何だかね、とても上手いのよ。
観終わってから残る<旨み>がたまらない。
アカデミー賞の審査員もこういう味がわかるんだな。
アカデミー賞の審査員もこういう味がわかるんだな。
淡々、平凡、地味、普通のネタをここまでうまく料理するってアッパレ。
きっとその満足感が口コミで広がったのだろうと思う。
映画の背景である1950年代初頭の世界がどんなだったかを
事前に知っているとさらにこの映画の面白さは増すかもしれない。
「第二次大戦後のアメリカの状況」
「同じくアイルランドの状況」
「各国からアメリカへの移民、特にニューヨーク近辺」
せめて<ブルックリン><マンハッタン><ロングアイランド>
の位置関係くらいはスマホで見ておいた方がいいかも。
主人公はそういう中を相当ひどいアイルランドなまりで
ブルックリンにやってくる。
故郷に帰って友人に聞かれる「摩天楼ってどうなの?」
「私は住んでいるのも働いているのもブルックリンだからわからない」
ロングアイランドの土地を買うエピソードが出てくる。
誰も住んでいない広大な原っぱだ。
先日の映画「シング・ストリート」もアイルランドだった。
時代は違うけどあっちはロンドンに出るところで終わる。
こっちはNYに出てきてから始まる。
「ダブリンの街角で」とか「ダブリンの時計職人」とか