毎年アメリカで発表される「ロックの殿堂入り」の資格は
<最初の作品発表から最低でも25年が経過していること>
が条件なので、授賞者のほとんどが老人だ。
が条件なので、授賞者のほとんどが老人だ。
4月8日に「ロックの殿堂入り」するチープ・トリックも
確かに老人の域に足を踏み入れた年齢ではあるが
今回同時に殿堂入りするディープ・パープルやシカゴや
スティーヴ・ミラー などと比べると貫禄がなくて、なんか似合わない。
殿堂入りする大物感、大御所感がまったくないし、軽い。
軽い理由の一つはバンドがバリバリの現役だからだと思われる。
年齢行っててもアルバム出してライブやるアーティストは多いが
(来年で)デビュー40周年を迎えるのに
まだ年間100回もライブやってるバンドなんて他にいない。
それもトリにこだわることなく、誰かのスペシャルゲストでも
ロックフェスの早い時間帯でも、小さな田舎のクラブですら
彼らはライブを厭うことなく続けてきた、そして今も。
恐らく殿堂入りした後もツアーはやめないはずだ。
「ライブを続けること」こそが90年代に一時落ち込んでいた
チープ・トリックの再浮上につながったのをバンドは知っている。
そんなチープ・トリックが殿堂入りする一週間前の4月1日。
17枚目のアルバムが発売になる。
「バン・ズーム・クレイジー・ハロー」
今回からBig Machineレコードとの契約になった。
テイラー・スウィフト、スティーヴン・タイラーのいるレーベルで、
日本ではユニバーサル・ミュージックが発売元となる。
このCDの解説にコメントするために試聴させてもらった。
外れのないチープトリックのアルバム中でもこれまた傑作で
個人的な感想としては
前2作「ロックフォード」「ザ・レイテスト」を加えた3枚で
70年代の「蒼ざめたハイウェイ」「天国の罠」「ドリームポリス」と
比較されてもいいのではないかと思うくらい。
音はよりロックンロールに。
あの時代にはなかった言い方をすれば、より<パワーポップ>に。
全編、若い。
若くて青い。
青くて軽い。
青くて軽い。
軽いと言うのは重厚感に欠けるの意味ではなくて疾走感。
こんなアルバムを作ってるバンドが
ロック殿堂入りするなんて言うから笑っちゃうのだ。
とてもじゃないがエラソーに見えないところが彼らの<罠>かも。
チープトリックの第二期黄金時代の始まりとも言える。きっと来年には次の新作も出てくるだろう。
私のベストカットは「シング・マイ・ブルース・アウェイ」なんだけど 公開された最初のシングル・カットは「ホエン・アイ・ウェイク・アップ・トゥモロウ」だった。
チープ・トリック・オフィシャルサイト
私は8年前にリックからもらった素敵なメッセージを覚えている。
「ノリオ、リタイアしたら我々のツアーマネージャーでアメリカに来てくれ」
退職祝いのお世辞だとしても、ライブバンドからのこれって私の勲章だ。