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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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カッコつけるカッコ悪さ

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「イノセント・ガーデン」



「オールド・ボーイ」の鬼才パク・チャヌク監督の
ハリウッドデビュー作。外部と隔絶された大きな
屋敷に暮らす繊細な少女インディアは、18歳の
誕生日に良き理解者だった父親を事故で失う。
母とともに葬儀に参列していたインディアだったが
そこへ行方不明になっていた叔父が突然現れ、
一緒に屋敷で暮らすことになる。そのことをきっかけに
インディアの周囲で不可解な現象が起こるはじめ……。


このパク・チャヌクという監督が鬼才なのだそうだ。
ストーリーとエンディングに至るまでの展開は面白い。
叔父さん役のマシュー・グードってTV顔の俳優さんが怖くていい。
ニコール・キッドマンは<ちょっと頭の悪い人妻>のイメージが
ついてしまっているが、この映画はまさにそのまんまだ。
映画として1000円分は充分楽しめる。

ただ、手放しで推薦できないのは「鬼才監督」のせいと思う。

オープニングのクレジットの入れ方からしてそれっぽい。
いかにもミステリーらしく蜘蛛が腿を這ったり
メトロノームが不気味なリズムを刻んだり
足にできた豆を針でつぶすアップだったり
ゆで卵の殻を割るにも普通じゃないぜ、と演出したり
意味ありげなシーンを象徴的にインサートする。
エンドロールは上から下に下りてくる。
つまり、メールを下から上に読んでいくようなものだ。

褒める人はそれをセンスだとかアートだとか言うのだろう。
だけど私の場合はその「あざとさ」に耐えられず
映画館の席を端に動いて斜めに見るようにした。
鼻につく「スノッブ」は我慢できない。
映画の広告に使われているこの靴箱を回りに並べて
ベッドに横たわる写真、これなんか典型的な絵だ。


センスや才能があるならこれ見よがしじゃなく、隠して欲しい。
さりげなさの中に光る才能の方がカッコいいのに。

一つだけ「これはいいよ」と言えるのは
ポイントのシーンにこの選曲をしたこと。
ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウッドのデュエット曲。
≪サマーワイン≫



60年代にヒット連発したナンシー・シナトラはフランク・シナトラの娘。
代表曲は「にくい貴方」「シュガータウンは恋の町」など。
でも私には「レモンのキッス」「イチゴの片想い」時代が思い入れ深い。
「レモンのキッス」(1962年)
日本ではザ・ピーナッツでヒットした。
http://www.youtube.com/watch?v=ulpwEwBIwQA

(今日のタイトルは早川義夫になってしまった)




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