昨日ちょっと触れた
レナード・コーエンの新譜
物凄く暗くて、素晴らしく暗くて、激しく深い。
暗闇で歌っているかのような声が頭にこびり付いて離れない。
解説のヘッケルさんによれば
「60年近いアーティスト活動でレナード・コーエンは
2008年以降現在に至る今こそ絶頂期を迎えている」
そう思う。
今年80歳になった。
2008年にロック殿堂入りし
2010年にグラミー賞で表彰され
2008年から2013年まで3回のワールドツアーでは
31ヵ国470回公演で400万人を動員した。
2012年に8年ぶりに12枚目のアルバムが出たと思ったら
あれからわずか2年、早くもこの新作が発表された。
元作家で詩人のレナード・コーエンは寡作の人で
1曲に2年も3年もかけたりするから
47年の音楽活動でもこれでもまだ13作目なのだ。
解説のヘッケルさんにとってはある意味<表と裏>の
表のディランが30枚以上のアルバムを出しているのと対照的だ。
今回の作品は短編集のように聴いた。
今年聴いたアルバムの中で私のNo1はこれに決定だ。
今年聴いたアルバムの中で私のNo1はこれに決定だ。
コーエンの低音は相変わらずエロティックである。
つぶやく詞が、当たり前なんだけど、今回もいい。
その魅力を際立たせてくれる三浦久さんの訳詞がめちゃくちゃいい。
三浦さんの訳者ノートによる曲解説がこれまた涙モノでいい。
ヘッケルさんの解説と併せ、
日本盤でないとレナード・コーエンはわからない。
日本盤でないとレナード・コーエンはわからない。
配信の音源なんかじゃまったく理解できないだろう。
youtubeにも今回のアルバムの音源がほとんどアップされているが
あれじゃ単に「声、怖~~い」くらいにしか感じられないだろうから
ここでは紹介しない。
その意味で、人はどう生きるかというコーエンの深いテーマの他に
洋楽はどう聴くのが楽しいかの私たちの課題の解答にもなっている。
今日は新譜じゃなくて「アーティスト人生の絶頂期に突入した」
2008年のロンドンのライブをもう一度観てみよう。
「哀しみのダンス」
こんな会場でこんなライブを生で観たら、鳥肌が立ちそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=NDqeuiEz7fI
エロティックな声の持ち主は同時に臨済宗に帰依し
禅僧名も持っている。
エロティックな声の持ち主は同時に臨済宗に帰依し
禅僧名も持っている。
今回のアルバムのクレジットの最後にはこうある。
This record is dedicated to our Teacher and Companion
Kyozan Joshu Sasaki Roshi
1907 -2014
そして臨済宗の坊主はこうも言う
「80歳になったらやめていたタバコを再び吸おうと思っている」
「80歳になったらやめていたタバコを再び吸おうと思っている」
私の憧れのジイさん、レナード・コーエンはパンクである。