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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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ぽつろんぎ

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田舎出身で学生時代も新宿ばかりだった私に
六本木の会社の毎日は別世界にいるように思えた。
60年代後半の六本木はスノッブな人たちが多かった。

柳生さんが近くの「In And Out」のシャツを着ていたので
こっそり見に行きあまりの高さにひっくり返った。
それでもボーナスが出ると意を決して「パンツショップ」で
オレンジ色のパンタロンを買ったりもした。
ファストフードなのに「ハンバーガーイン」もオシャレだった。

それがバブルの頃からだんだん街の空気が変わって行って
キャバクラと外国人の客引きばかりになって
ヒルズやドンキができたあたりから足が遠のき
最近ではほとんど行かない街になった。

久しぶりにそれも昼間に行った。
<アジアのどこかの国のどこかの繁華街の朝>だった。
キャバクラばかりだったビルに各国のレストランやバーが入り、
住人のいる生活の雰囲気もあった。
10年くらい前よりはずっと観光地っぽくなってた。
「フィフス・エレメント」でも「トータルリコール」でもなく
ありきたりな言い方になるけど「ブレードランナー」みたいだった。




(元ハンバーガーインのあった場所は行くたびに違う店になってる)

六本木ヒルズに向かった。
道に迷うお上りさんに戻っていた。
ジン・ビーム・バーなんてのがあって「へぇ~」と覗き込んだ。


待ち合わせの居酒屋のランチは
焼き魚定食や揚げマグロ丼が1250円だった。


(ヒルズ値段)と思って食べた。
決してうまくはなくて残してしまった。
コストパフォーマンス悪し、だった。
それでも店内は満員で外に行列ができていた。

私たちはその昔、六本木のことを<ぽつろんぎ>と言っていた
でも世間では鼠先輩以来<ぎろっぽん>と呼ぶらしい。

前を闊歩するモデルみたいに足の長い女の子を見ながら
<どちらにしてもこの街は違う>と確信した。

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