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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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チープ・トリックのニュー・アルバム「In Another World」を聴いて

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チープ・トリックのニュー・アルバム

「イン・アナザー・ワールド」

 

 

通算20枚目となるスタジオ・アルバム。

プロデューサーはこのところずっとのジュリアン・レイモンド。

彼の作る音は抜けが良くてクリアだから

チープ・トリックの真骨頂であるポップなロックンロールに合う。

クレジットにはないけれどリックとの共同プロデュースと思われる。

 

これをひとことで言うなら「当たり前に素晴らしい楽曲たち」。

最大の特徴で魅力である転調の多い「美しいメロディ」、

変幻自在の「ロビンのヴォーカル」、

根っこに元々あるけど今まで以上にビートルズ或いはELOを感じた私だ。  

 

一般的に、と言うか、私は、

過去にヒット曲の多かったベテランのバンドやシンガーたちの

新曲やニュー・アルバムにはあまり期待しない。

それは洋邦問わずで、特にライブで新曲ばかりやられると、

(あの曲とかあの曲とかやれよ)と苛立ったりすることがある。

古いファンは瞬間でもタイムスリップして昔に戻りたいものだから。

だからヒット曲をメドレーなんかで処理されたりしたらガッカリなのだ。  

 

そんな私だけど

もしあなたがチープ・トリックの昔からのファンだったらこう言いたい。

 

「今回のアルバム、下手したら、泣くよ!」

 

ここには「甘い罠」「今夜は帰さない」「サレンダー」

「ドリーム・ポリス」「ヴォイシズ」「永遠の愛の炎」は、ない。

なくてもこの12曲がある。

アルバム「天国の罠」とか「ドリーム・ポリス」のLP発売を

待ちわびて予約までして手に入れて、

家のプレイヤーから最初の音が流れた時のあのトキメキが味わえるはずだ。

どうか青春に戻って聴いて下さいな。

 

01. Here Comes The Summer 
02. Quit Waking Me Up 
03. Another World
04. Boys & Girls & Rock N Roll
05. The Party 
06. Final Days 
07. So It Goes 
08. Light Up The Fire 
09. Passing Through
10. Here's Looking At You 
11. Another World(Reprise) 

12. I'll See You Again
13. Gimme Some Truth

 

ネットニュースの多くが、ジョン・レノンの「ギミ・サム・トゥルース」を

カバーしたことを扱っているが、それはM13、ほぼボーナス・トラックに過ぎない。

元気な12曲に胸をなでおろすのだ。

 

アルバムに同じ曲の2バージョンがあるので聴いてみよう。

M3「Another World」

https://www.youtube.com/watch?v=Khk3RLGSeIs

M11「Another World(Reprise)」

 
どちらのロビンが好き?というより、ライブでは連続してやりそうだ。

こういう疾走感あふれるタイプのポップなロックンロールバンドは

最近ほとんどいない(と思う)

 

 

こんな素晴らしいニュー・アルバムではあるが

唯一気に入らないのはカバー・ジャケットだ。

もし時代が70年代で私が担当だったら交渉して日本盤のジャケットを替えるだろう。

 

ところが、日本盤のジャケットがどうのこうのと言う前に・・・

世にも恐ろしいことに・・・このアルバム

 

日本盤発売の予定がない。

 

なんということだ・・・。

不遇のインディ時代も日本盤は出ていた。

 

そっか、世の中サブスクだもんなと思いながらも

何の力もない私は怒ることも泣くこともできず、

言葉もなくただ茫然としている。

もしリックからメールが来たらなんと答えればいいのか。

 

 


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