「ブログ見たら暇そうなのでこれでも読んで下さい」
と後輩から宅配便が届いた。
(あいつも結構気が利くじゃないか)と開けると箱入りの
「The SAMURAI COLLECTION」という全ページカラーの豪華な本。
世界各国の愛好家が参加する<国際刀装具会>なる会の
展覧会の図録で基本的には英語。非売品。
今年の展覧会は9月にドイツで開催される予定だという。
彼は昨年ここの厳しい審査を通って念願の正会員として認められた。
付箋の付いたページには彼のコレクションの写真が掲載されているから
「読んで下さい」と言うより「僕のコレクションが載りました」だ。
私はこの趣味にまったく興味ないけれど
彼のここに至るまでの経緯を知ってるだけにそれが興味深い。
始まりは私と同じ「燃えよ剣」司馬遼太郎だった。
TVドラマを観てそのセリフまで覚え結束信二の本を買い
京都の聖地巡りをし日野にも函館にも行き
そこまでは私と同じだったのがそのへんから道が分かれる。
彼はその後、ますます新選組にのめり込んで
というより深みにハマっていって
まっすぐ新選組だけを見つめるマニアになった。
長州、薩摩、 土佐、宇和島、越前、水戸など目に入らず、
会津や二本松については多少は語るもののやはり新選組で
ついには天然理心流の道場に通うようになり
刀や鍔などの刀装具コレクションに目覚めてそして今に至る。
そのこだわりの情熱はすごい。もはや新選組評論家に近い。
一方、私は70年代から沖田総司の墓参や土方終焉の地初め
主な聖地巡りもしたけれど彼ほどのマニアになることはなく
むしろ当時の状況や人物をもっと広く知りたくてそっちに向かった。
だから二人で飲むと彼は新選組のことだけを語りたいのに
私は話を合わせながらも武市半平太とか橋本左内とか
或いは小栗上野介の話もしたいので微妙に会話がずれる。
この構図は音楽に関してもある。
一応レコード会社の洋楽制作に長年籍を置いていた私は
情報は一般の方より多いが好き嫌いがハッキリしているので
知らないジャンルやアーティストも数多く
詳しい洋楽ファンとタメな会話はとてもできない。
逆に日本語カバーポップス、青春歌謡、グループサウンズ、
70年代アイドル、フレンチポップス、カンツォーネなどは
そういう人たちより私の方が知ってるはずだから
これは元々の志向性や性格が違うとしか言えない。
狭くても深く追求する職人・人間国宝タイプが彼だとすれば
興味の対象が目移りして浅くても広く知りたい欲求の強い私は
生まれついての浮気人間なのかもしれない。
そんな風来坊の私なのに一つの会社を定年まで勤めあげ、
40年以上もクラッシュが好きだなんて言い続けているということは
よっぽどCBSソニーとクラッシュが好きだったのだ。
そんなわけで今日はクラッシュとはまったく関係なく
この6年前のブログ「1964年の青春歌謡」に書いた
https://ameblo.jp/nihonyogaku/entry-11912013147.html
「素敵なやつ」叶修二(1965年)
そう、ビートルズが大爆発していた1965年のヒット曲だ。
当時のビートルズファンは多分これを知らないと思う。