「お城EXPO2019」というイベントが開催される。
12月21日(土)&22日(日)
今年で4回目を迎えるこの「お城EXPO」は
日本最大級のお城のイベ
日本各地のお城のブースや「お城シアター」の上映、
お城の自由研究コンテスト、各種の展示の他、
講演会やワークショップ、セミナーなどあって
パシフィコ横浜の1階〜5階までお城ネタが埋め尽くし
去年は2万人のお城ファンで盛り上がった、という。
それほどお城ファンでもないし行けない私が気になるのは
伊東潤という歴史小説家が山中城について語る
21日17時からのトークショーだ。
「『渡辺水庵覚書』完全再現ライヴ~実録山中城攻防戦~」
https://headlines.yahoo.co.jp/
山中城とは箱根山の西山麓にある北条氏康が築城した小田原城の支城で
秀吉にあっという間に落城された城のこと。
でも山中城のことより興味はむしろ伊東潤にある。
前にイタリアン・プログレッシブロック好きな
歴史小説家がいると書いたこの人、
遅ればせながらこの伊藤潤が今年の私のお気に入りだ。
北条氏と武田氏と上杉氏の戦国時代の関東を舞台にした作品が多く
(一般的には)無名の武将や城が主役だったりする。
70年も関東に住んでいながら私がまったく理解できていなかった
「扇谷上杉」「山内上杉」の関係や
「古河公方」 「鎌倉公方」「堀越公方」に関東管領がからんで
寝返ったり裏切ったり下剋上だったりとぐちゃぐちゃな時代の
群像を小説にしてくれているのでありがたい。
京都の周辺の歴史小説は多くあっても関東モノは珍しく
それを歴史の教科書を読むように、
知らない武将の名前や聞いたことのない城の名前が出る度に
いちいちスマホで検索しながら、地図を見ながら読み進むから
ペースは遅くて山ほどの作品の中から今までとりあえず5冊読んだ。
この人は2007年に「武田家滅亡」でデビュー。
毎年のように直木賞候補になっているので受賞も近いと思われる。
2011年下期候補作「城を噛ませた男」
2012年下期候補作「国を蹴った男」
2013年上期候補作「巨鯨の海」
2013年下期候補作「王になろうとした男」
2016年上期候補作「天下人の茶」
作品一覧
https://www.amazon.co.jp/%E4%
氏のインタビューによれば
長篠の合戦を描いた「天地雷動」を書く際はBGMに
ツェッペリンの「アキレス最後の戦い」をかけながら書いたのだそうだが
それはデビュー作「武田家滅亡」がそもそもツェッペリンを聴きながら
だったから原点に戻るためだった、ということらしい。
変わっているというか、笑えるというか、好ましい。
この人、ロックが好きすぎて
日本のバンドとコラボして作詞もしている
「武田家滅亡」金属恵比須(2018年)
https://www.youtube.com/watch?
では「天地雷動」執筆の際のBGMだった
「アキレス最後の戦い」レッド・ツェッペリン(1976年)
これを轟音で聴きながら小説書く作家はやっぱり珍しい。
https://www.youtube.com/watch?v=YWOuzYvksRw
いつまでも司馬遼太郎じゃないということかも。