このところ「ロンドン・コーリング」のことを続けて書いていたら
1980年当時のEPICソニーを知る人から
「こういう販促物を作ったの覚えていますか」と写真が送られてきた。
もちろん覚えてるって。
メディア向けと言うより営業対策で
数は確か100か200程度だったと思う。
私はそれを持っていない代わりに同じデザインのこれを持っている。
ペラペラの生地で、デザインも正直残念ながらではあるが
文字は金糸の刺繍だし「N.N」の文字も輝く。
自分用に発注したということはまさに40年前の公私混同。
今でもこれは捨てずにキープしている。
ポイントは胸の「EPIC THE ROCK'N'ROLL LABEL」にある。
(よく見ると「LABEL」の最後の「L」がない)
前にも書いたようにこのキャッチフレーズは
レーベルのというよりクラッシュのためのもので
もっと言うとアルバム「ロンドン・コーリング」のためだけの、
まあ、邦題みたいなものだ。
「全社一押し」というダサい言い方をしたくなくて
「だってレーベルがロックンロールなんだもの」と言っていた。
もちろん会社のコンセンサスなぞ取ってはいない。
憧れのEMIに寄せたい心根と仮想敵CBSに一泡吹かせるには
ここでクラッシュに集中するんだという思いもあった。
しかしその後のEPICソニーは
ノーランズやマイケル・ジャクソンなどの出現で
「Rock'n'roll Label」どころじゃなくなり
私の人事異動(まさかのCBSソニーに出戻り)によって役目を終える。
今でもたまに「EPIC The Rock'n'roll Label」を覚えている人がいて、
その話をする度に(ロックンロールで打倒CBSソニー)に燃えていた
若くて無謀な自分を思い出し、少し感傷的になったりするのだ。
クラッシュ用だったキャッチフレーズはもう一人にも使っている。
ドイツのニナ・ハーゲンのアルバム「ウンバハーゲン」
(どうだ、CBSソニーからはこんなの出ないだろう!)みたいな気分で
個人的には大プッシュしたが売れなかった。
じゃ、今日はそのニナ・ハーゲン。
「べートーヴェンを越える感性とディートリッヒを上回る美貌
ギャグかファッションかはたまた恐怖か!?」
のキャッチは今でも自分で気に入っている。
相当アバンギャルドに聞こえた曲も39年経って聞くと意外と気持ちいい。
「アフリカン・レゲエ」(1980年)
https://www.youtube.com/watch?v=2RiDVoqRgr8