飛行機に乗ればわずか1時間のところを
わざわざ12時間もかけての列車旅です。
東京駅22時発「サンライズ出雲・瀬戸」で
夫婦は出雲大社参拝に向かいます。
実は生まれて初めての寝台特急なんです。
最近では「四季島」「ななつ星」「瑞風」など
クルーズトレインなる豪華列車が流行りのようですが
国内旅行なのにあんな高くちゃ興味はありません。
どうせの長旅なら外国のカジュアルなクルーズ船がいいし
豪華列車ならば断然オリエント急行だろうし
何とかなるならいつかはミシシッピー川をニューオリンズから
メンフィスまで辿るリバークルーズに行きたい私です。
今回はそれよりずっとお手軽な寝台特急。
今では日本に唯一残ったこの寝台特急「サンライズ」に
一度は乗ってみたかったのです。
さてその「サンライズ」
乗客が少ない、というよりこの日はガラガラ。
想像よりも意外としっかりした造りの個室ツインで、
部屋は天井が低いわりに横幅はありドアには鍵もかかり
空調も室内照明も問題なくスマホの電源もあるし
夜寝て旅するだけなら充分でしょう。
隣の部屋の人の声などまったく聞こえません。
通路なんかはちょっとヨーロッパの一等寝台みたいな顔してて
トイレも洗面台も綺麗なのが車両に2つづつあり
使わなかったけどシャワールームもあります。
自動販売機はあるけど車内販売はありません。
もし12時間の間にここで殺人事件が起きたら
アガサ・クリスティじゃなくて西村京太郎です。
問題はWi-FiとTVがないことで
手持ち無沙汰な人にはポケットWi-Fiが必要でしょう。
私は持ち込んだ安ワインとつまみで寝ちゃえばいい
・・なんて考えていたのですが
これが簡単に眠れるもんじゃないです。
ガタガタするし揺れ激しい!
進行方向に頭が向いているので脳天にガツンと来る。
でも驚いたことに実は12時間はあっという間でした。
それは体勢のせいと思われます。
ベッドに真っ平らに寝ての12時間は
飛行機のビジネスクラスよりずっとラクなものでした。
室内の空気も飛行機のカラッカラじゃないし
2~3時間毎に目は覚めても睡眠不足の感はありません。
出雲駅に朝10時に到着です。
バスではなくローカル線に乗って出雲大社に向かいます。
曇り空、12時から雨の予想だったのが
出雲大社に近づくに連れて徐々に晴れ間が見えてきました。
まさに「八雲立つ」
湧いた雲が急速に東に流れていくのは感動的です。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その 八重垣を」