花見客だらけの北の丸公園に
「東京国立近代美術館工芸館」がある。
ここは「旧近衛師団司令部庁舎」で
建物は重要文化財に指定されている
1945年8月15日その日の未明に
「宮城事件」と呼ばれるクーデター未遂事件が起き、
師団長が殺害された現場だ。
映画「日本のいちばん長い日」にもなった。
半蔵門の歯医者で治療を終え
花見を兼ねて九段下まで歩く途中、
前を通りかかって催し物のポスターを見た。
「名工の明治」
「十二の鷹」という作品がメインらしい。
http://www.momat.go.jp/cg/
今までは建物を眺めてただけだったから
「65歳以上無料」の文言に惹かれ、中に入った。
私の場合「十二の鷹」より実は
(旧近衛師団司令部の中ってどうなってるんだろう?)
の方が興味津々だったのだが
中はすっかり展示場仕様になっていて
正面の階段まわりにのみ面影を残しているらしい。
そして大した興味もなく見た「十二の鷹」が素晴らしかった。
鈴木長吉という人の彫金はポスターのコピーそのまま
嘘偽りなく<超絶技巧>のメタルの極致だった。
芸術作品に審美眼のまったくない私が
ここにだけ30分近くいたのではと思う。
この十二羽の鷹に比べればこんなお堀の桜も影が薄い。
「名工の明治」は5月27日まで開催されているのでお薦め。
65歳以上は無料だし。
またこのタイプの美術館には珍しく一部の写真撮影OK。
だからと言ってもスマホで接写しすぎて注意される人もいる。
工芸館の展示物の7割は2020年に金沢に移転になるそうだ。