実家の押入れに、ギターケースに入った
1万7千円の値札がついたままのガットギターを発見。
<入門用阿部ギター>とある保証書は
昭和56年(1981年)なので36年前。
36年間一度も弾かれることのなかったギターだ。
間違いなく犯人の父親は、計算すると当時67才。
まだ働いていてアルツは始まっていなかったし
金額が安いから詐欺でもなさそうだ。
どういうつもりで買ったのか
母親も亡くなった今となってはもうわからない。
ただギターケースの近くにシャンソンのSP盤や
学生時代のテニス仲間との写真などが入った箱があり
若い頃にギターを少しかじってたと聞いてたから、
リタイアしたら似合わないシャンソンか、或いは大好きな
マレーネ・ディートリヒの「リリー・マルレーン」でも
これを弾きながら歌いたかったんじゃなかろうか・・
なんて想像して微笑ましい気持ちになったものだ。
父はマレーネ・ディートリヒについては
映画「モロッコ」(日本公開1931年)が好きで
(脚がとにかく綺麗だった)のだそうだ。
そんな父親の<古い新品ギター>を
同じ年齢になった息子がお彼岸の墓参りで見つけたのも
何かの縁かと東京まで電車で持ち帰ることにした。
4代続くかもしれない1万7千円の家宝だ。
てことは今日聴くのはシャンソンか「リリー・マルレーン」か。
私の選曲のギターの曲なら「さすらいのギター」か「涙のギター」か
歌謡曲で「真夜中のギター」か「ギター子守唄」か。
古いギターをポロンと鳴らした拓郎も
ベタなジョージ・
まったく時代を新しくして衝撃の美しさだったこれにする
テイラー・スウィフト
「ティアドロップス・オン・マイ・ギター」(2007年)
この頃はまだ16~7歳でしょう。
マレーネ・ディートリヒが綺麗だとは思えないんだよ、オヤジ。