友人ご夫婦と調布で食事。
2組とも調布に20数年の住民だ。
この街はビミョーに存在感の薄い中途半端な街で、
新宿から特急で15分なんだから
今マンションバブルの高尾山口なんかと比べたら
ず~っと近いはずなのに、都会とはとても言えない。
かと言って故郷の香りのする地方都市でもない。
分倍河原ほど歴史に名高いわけでもなく
府中や立川のような商業地域でもなく
60年代に開発された新興住宅地でもない。
映画の撮影所があった関係で映画の街というわりには
今まで映画館が一つもなくて来年ようやく再開発により
11スクリーンのシネコンができる。
ただ、この街はその中途半端さが故に意外と居心地が良い。
頭ぼさぼさのままサンダルばきで買い物に自転車で行ける。
物価も安いし通勤の大混雑もない。
唯一、不満があるとすれば美味しい店の少なさだ。
そんな中途半端な街で今回見つけた。
まさに田舎によくある「銀座通り」
その調布銀座通りに3年前にオープンした
和食創作居酒屋「土と青」
一階がテーブル一つにカウンター数席、二階が座敷。
6時にはもう予約でいっぱいだった。
スタッフが全員若くて明るい。
どこか音楽人の香りのするオーナーシェフも多分まだ30代だろう。
当然客も若い。
自分の長年の居酒屋体験から
恵比寿や西麻布にありそうなこの店名はいかがなものかだし
<創作>と付いた店は大体よろしくないと知っている私でも
ここの料理は、旨い。
そして旨い理由はすぐにわかった。
日本酒の店だから全部が酒のつまみなのだ。
焼酎は置いてない。
寧音(ねね)というキラキラネームの輪島の軽い純米酒を
ガンガン、、ガンガン、ガンガン頂く。
その後、岐阜とか滋賀とか三重とか神奈川の、銘柄忘れた。
名物はカニ味噌クリームコロッケだという。
<味噌>という点がミソで、揚げ物嫌いな私でもいける。
豆腐の西京味噌漬け、これが日本酒に合う。
刺し盛りや、ながらみ貝の塩ゆでは普通かな。
野菜と魚が中心のメニューの中でローストビーフもいける。
普段は飲むと食べない〆の炙り魚ご飯が、なんとも美味しい。
日本酒の旨さを際立たせてくれる店で
外国のお客さん接待にも最適と思われる(ここまで来ないか)。
最後は店の前まで見送りしてくれたスタッフの接客が何より旨し。
コストパフォーマンスは、
あんなに飲んじゃいけないのよ、本当は。
とまれ旨い酒、旨い料理、大満足の帰り道だった。
中途半端な街、調布では今のところここが一番の名店だ。
(なんのしがらみもないので宣伝ではないす。正直な感想す。)