洋楽が宿命として持つ弱点は「歌詞がわからない」こと、
これだけは昔も今も変わらない。
じゃあ、歌詞のわからないまま
昔から私はどんな風に洋楽を聴いてきたかというと
まずは聴いた時の印象とか、インパクトみたいな
もやっとした雰囲気だった。
そのもやっとした雰囲気を構成していたのは
「メロディ」「サウンド」「声質」の3つ。
この3つが揃うと私は「いい感じ~」になってた。
これをクリアすると次にビジュアルや歌詞
アーティストそのものに興味が進む。
フランス・ギャルやアル・スチュアートなんて典型。
ダンス・ミュージックはそれほど好きでもなかったから
リズムは上位に来ず、ロックはビジュアルが重要だった。
今日のロニー・スペクターも声だ。
CD「ヴェリー・ベスト・オブ・ロニー・スペクター」ロネッツ時代の「ビー・マイ・ベイビー」(1963年)から
ソロとしての00年代のロニー・スペクターまで
レーベルを超えた彼女初のオールタイム・ベスト。
全19曲、2月24日つまり昨日発売。
1800円(税別)
1800円(税別)
ロネッツ時代のヒット曲はもちろんカバー曲もあり
ライナーノーツにはビリー・ジョエル、ジョニー・サンダース、
キース・リチャーズ、Eストリートバンド、
ジョージ・ハリスン、サウスサイド・ジョニーなど
多くのアーティストとのデータやエピソードが解説されている。
だからこういうアルバムこそ
是非ともCDの解説を読みながら聴いて欲しい。
・・と、普通だと書くところ
実は背景を知らなくても聴いてるだけでこれがいいのだ。
ロニー・スペクターの歌唱力と言うより甘い声、
キーキー張り上げないし、どこか、はかなさもある。
いかにも「女の子」が歌ってる感じ(今は72才か)
アルバム聴いてるとホッとすると言うか、ね。
それと、やっぱ、色々となんだかんだ言っても
フィル・スペクターという彼女にとってのプロデューサーで元旦那は
殺人罪で今も刑務所の中の薬物中毒治療施設にいるけど
音楽を作る才能だけは大したもんだったんだなあと。
このアルバムからロネッツの「ベイビー・アイ・ラブ・ユー」
解説によると、「ビー・マイ・ベイビー」の思わぬヒットにより
コンサート中のロネッツからロニー・スペクターだけを
レコーディングのために急遽スタジオに呼び寄せ
ライブは従姉妹に代役を任せて
この曲のバックコーラスは残りの2人のロネッツは参加せず
ダーレン・ラヴなど別人を使ったという。
フィル・スペクターがメチャクチャやってんなー。
でも面白いなあ。
とか背景を知って聴くには声だけじゃなく解説が必要だな。
「ベイビー・アイ・ラブ・ユー」(1963年)