同じ演歌でも股旅モノは軽くて、任侠モノは重い。
中野寛さんは演歌だけどそのどちらでもない。
九州男児で昔かたぎ、豪気で義理と人情に厚く
カラオケ十八番は「無法松の一生」だから
あえて言うなら、浪花節だ。
CBSソニー創立に最初に参加したメンバーの一人で、
名物営業部長であり、エイプリルミュージックであり
演歌制作部長であり、人事部長であり役員だった。
55才でスッと退社して赤坂に焼き鳥屋「りときや寛」を構えた。
あれから足かけ17年。
本日をもってその「りときや」からもリタイアする。
経営譲渡による引退なのでお店は引き続き存続するが
中野さんの姿を店で見られるのは今日が最後となる。
昨夜は私たちグループ以外に元営業部のOBメンバーが
20人近く集まって中野さん慰労会を催していた。
小沢元会長のお元気な姿もあった。
経営はなかなか順調とは言えなかったけれど、
未知の世界に転職したいわゆる<第二の人生>は
充分満足できるものだったと話してくれた。
これからは三浦半島の先端で
昔カッコイイと思っていた先輩が功成り名遂げた後も
会社に恋々としているさまなど見ると、
人それぞれに人生設計はあるにしても
この中野寛的生き方は理想的なロールモデルと言える。
爽やかな中野さんの引き際は