フォーク酒場の常連客が集まった素人劇団のはずなのに
(下北沢みたくなってきたなあ)と
終わった後で主宰者の藤岡さんに言った。
劇団「風に吹かれて」第4回公演「嘘つきを憐れむうた~Sympathy for liars~」
<両親の離婚以来20年間も別れたままの父親は
コミカルな演出は押え目に
劇団員はすっかりビビりも恥もてらいもなくなり
だけど満席の小屋に業界友人が私一人なのはどういうこっちゃ。
みんな嘘つき!
<両親の離婚以来20年間も別れたままの父親は
幼心に「嘘つき」だったとの記憶がある。
父親が経営しているというお店を娘は訪ねる。
父親は不在で、居合わせた店の客から父の現在を聞く娘。
相変わらず嘘に固められたエピソードばかりだった。
アーティスト、スポーツマン、パン作り、ベトナム戦争・・・>
娘を真実(まみ)と名付けた父は
悲しませたくないから嘘をつく
喜んでもらうために嘘を重ねる
嘘というよりも空想、空想というより創作、それは或いは夢か。
では真実とは何か、
真実に嘘はないのか、嘘に真実はないのか。
少なくともその嘘の中で父は真実を生きてきた。
真実に嘘はないのか、嘘に真実はないのか。
少なくともその嘘の中で父は真実を生きてきた。
コミカルな演出は押え目に
映画「ビッグフィッシュ」を彷彿とさせる深いテーマで
父と娘の切ないストーリーを描く今回の演目は、
過去3回の藤岡作品と肌触りが異なる。
父と娘の切ないストーリーを描く今回の演目は、
過去3回の藤岡作品と肌触りが異なる。
スピルバーグ気取りの「製作総指揮」藤岡さんと
理屈っぽい彼の思考や価値観をそのまま受け容れて
「脚本&演出」の重責を担った愛娘<論理鼠>の
「脚本&演出」の重責を担った愛娘<論理鼠>の
嘘のない父娘の共同作品とも言える。
劇団員はすっかりビビりも恥もてらいもなくなり
発声どころかたたずまいまでそれ風になってきた。
だけど満席の小屋に業界友人が私一人なのはどういうこっちゃ。
みんな嘘つき!
涙を隠して場を笑いに包む人は果たして<嘘つき>なのか?