カメラマンのヒロ伊藤さんが5月11日に亡くなり
ヒロさんはサンタナ、ビリー・ジョエル、ジャーニーを初め
主としてロック系アーティストを撮るフリーのカメラマンだった。
ニューヨーク在住時代から堤さんと親交があったこともあり
70年代のCBSソニー洋楽のほとんどの来日アーティストは
「Hiro Itoh」にお願いしていた。
私も担当アーティストのほぼ全部がヒロさんのカメラだった。
黒装束のヒロさんがステージの前後左右を機敏に動き回るサマは
まるで忍者か蜘蛛のように見えた。
年は私の2つか3つ上で、私のことは呼び捨てでもさん付けでもなく
微妙に「野中氏よお」だった。
80年代からは国内アーティストも数多く手掛けた。
だから偲ぶ会の会場には岡林信康、GLAYの姿もあった。
実は駅の改札口でモッズのメンバーと偶然出会い
デビューアルバムのジャケット撮影から「Hiro Itoh」だったモッズは
もしかすると一番最初にヒロさんが撮った日本人バンドかもしれない
昔堅気の職人カメラマンだった。
まだ60代と若い現役の突然の訃報ではあったものの
逆に闘病の末でなかったことだけがせめてもの救いだ。