佐藤剛さんの「上を向いて歩こう」の続編とも言える
「黄昏のビギンの物語」
が上梓された。
が上梓された。
「上を向いて歩こう」より前の永六輔と中村八大の初期の作品
「黄昏のビギン」は水原弘の「黒い花びら」に続く第2弾シングル
「黒い落葉」のB面として1959年に発売された。
A面もB面も、いま聴いても<異常に>オシャレな曲だ。
A面もB面も、いま聴いても<異常に>オシャレな曲だ。
そのB面曲だった「黄昏のビギン」が生まれて55年間、
ちあきなおみバージョンでも有名なあの歌が、
いかに日本でスタンダードナンバー化していったか
その真相を解明する過去から現在へのドキュメント本で
前作と同様、歌そのものを知らない人にも楽しめる
エンタテインメント物語にもなっている。
新書にしては量が多いが、一気に読み終えてしまう
推理小説のようでもある。
推理小説のようでもある。
そう、推理小説というなら前作も今作品も剛さんて探偵みたいだ。
剛さんお得意の<分析ー仮説ー検証>の作業は、明智小五郎や
古畑任三郎やコロンボやホームズではなくて、
古畑任三郎やコロンボやホームズではなくて、
観察力、洞察力、推理力によって
一見関係ないように見えることを結び付けていくという手法が
おばあちゃんだけど「ミス・マーブル」っぽい。
一見関係ないように見えることを結び付けていくという手法が
おばあちゃんだけど「ミス・
だから多くの資料を駆使して真相を追っていく筆者=名探偵佐藤剛も
この本では主役の一人なのだ。
例えば後半のハイライトとなるキーワードに
中村八大がステージで「黄昏のビギン」演奏中に見た
「ある一人の女の子がショートパンツで走り回っている姿」がある。
それが幼き頃の「ちあきなおみ」だったのではないか?という仮説、
これこそがマーブルおばちゃんたる剛さんだ、こういうことよ。
この本では主役の
例えば後半のハイライトとなるキーワードに
中村八大がステージで「黄昏のビギン」演奏中に見た
「ある一人の女の子がショートパンツで走り回っている姿」がある。
それが幼き頃の「ちあきなおみ」だったのではないか?という仮説、
これこそがマーブルおばちゃんたる剛さんだ、こういうことよ。
「黄昏のビギンの物語」
いいタイトルと思う。
ある曲が、時代によって歌手の解釈によって、またアレンジによって色々表情を変え
世の中に歌い継がれてスタンダードナンバーとなる。
それはもしかするともう作者の手を離れた曲自らが命を持って物語を紡いでいく
ということなのかもしれない。
そういう物語となるような歌が現在の日本にも生まれ続けているかどうか
そこは大いに問題なのだ。
「黄昏のビギン」水原弘
https://www.youtube.com/watch?v=Q4N5m1oSOcM&feature=kp
余談;
余談;
中村八大は中国青島生まれ、父親は現地の国民学校の校長だったという。
私の父も中学までを青島で過ごしている。
もしかして父親が通っていた日本人学校の校長がその人だったら面白い、
なんてことをまたこの本を読んで思ったりもしたが
これは私でも特に検証する必要もない話だ。
これは私でも特に検証する必要もない話だ。