1月の発表からこの日をどれほど楽しみにしていたことか。
他のどのコンサートよりイベントより、私の2013年はこれだった。
5人がそろって初めて「ザ・タイガース」を名乗れるのだ。
今日はその44年ぶりの、しかも初日の、しかも武道館だ。
日本人バンドとして初めて武道館ライブをやったのもザ・タイガースで
結果的に彼らの解散コンサートもここだったことを考えれば、
2013年12月3日、盛り上がらないわけがない。
2013年12月3日、盛り上がらないわけがない。
ステージ後ろの2階のてっぺんまでぎっしり満席の武道館に
私も仕事は一切関係なく、単なる当時の熱狂的な一ファンとして
「オヤジがこんなに多いとはね、2割くらいいそうだ」
「昔は1%だったもんな」
「前の席のおばさん、昔は可愛かっただろうって感じだね」
「全員が60才前後だ、すげーな」
2人で<オープニングは「僕のマリー」じゃないか?>
<「タイガースのテーマ」で入って欲しいな>
<意外とストーンズ・ナンバーで来る手もあるぜ>
なんて、とにかく期待感でいっぱい、頭の中クラクラ。
なんて、とにかく期待感でいっぱい、頭の中クラクラ。
そして遂にその瞬間が訪れた。
タカタカタカタカとピーのドラム連打、
おっとーーー!これで来たかーーー!!
デイブ・クラーク・ファイブの「ドゥー・ユー・ラブ・ミー」だ。
完璧な白髪のトッポも予想してたより肌のつやが良くて
ピーも去年より元気に見える。
ミストーン出しまくりながらもタローは今年ちゃんとギター弾いてる。
1人もサポートメンバーを入れてないようだ。
サリーがこの日もいきなりカッコいい。
次の「サティスファクション」までは
「ナルホド、そうかそうか」と余裕こいていた我々も
MCの後の「ノーウェアマン」あたりから微妙な感じで「???」
一部は全部カバー集だった。
休憩挟む。
「ジャズ喫茶時代を思い出してってのはわかるけどこりゃないな」
「カバーしてるアーティストの数が少なすぎ」
「でもデビュー前はこういうステージだったんじゃないの」
「メンバー全員がソロ2度まわしはやり過ぎよ」
「客も爆発したいけどできないって感じだよな」
「それにしてもジュリーのあのヒゲだけは許せないよ、
あれじゃあ昔の千円札の伊藤博文だよ」
「主張とかあるんじゃないの」
「いや美しいジュリーでなきゃイカン、タイガースやるなら。
MCで沢田幹事ですなんて言ってる場合じゃないでしょ」
二部からようやくオリジナル曲が始まる。
「僕のマリー」「落ち葉」そして「モナリザ」も「銀河」も「首飾り」も
あ~~やっときた~
ジュリーとトッポがハモる。
くーーっ、これがタイガースなんだよ。
一部の導入もこの流れで入ればいいのに。
アンコールで「タイガースのテーマ」も聞ける
そして因縁の「美しき愛の掟」だ。
隣で政則さん涙ぐむ。
隣で政則さん涙ぐむ。
こうして休憩を含んだ2時間のライブは
自分の青春時代そのままを重ね合わせながら
切なさと無念さと喜びと悔しさが
想い出と複雑に絡み合い交錯して過ぎる。
想い出と複雑に絡み合い交錯して過ぎる。
しかし、44年間待った割には納得しきれない幕切れ感。
一瞬でも王子様タイガースを垣間見せて欲しかった。
一瞬でも王子様タイガースを垣間見せて欲しかった。
原因はやっぱりジュリーにあったと思う。
沢田研二ショーではないのだからここは二枚目に徹して欲しかった。
ギャグもヒゲもタイガースには必要ない。
ピーもはしゃぎすぎ。
余計サリーの静かなるカッコよさが際立ってしまう。
一夜明けた今朝の寂しさとこの虚無感は何だろう。
ザ・タイガースは散ってしまったんだと、
曲で言えばこんなセンチメンタルな感じだ。
http://www.youtube.com/watch?v=3ewnpVQN6q8ザ・タイガースは散ってしまったんだと、
曲で言えばこんなセンチメンタルな感じだ。
演奏に関しては東京ドームまでにはもう少しこなれると思う。
私の2013年最大の音楽イベントがこうして終わった。
2008年4月24日のチープトリック以来の武道館だった。
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