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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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お宝「EPIC/BELL班DJコピー1972」

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今日も続きでDJコピーの話。

 

 

70年代、プロモーション・オンリーの「DJコピー(ハイライト盤)」

各社で制作されており、主に毎月発売されるシングル盤を

「新譜総合試聴盤」とか「シングルハイライト盤」として1枚にまとめ、

レコード店の店頭演奏や放送局へのシングル・プロモーション用に使われた。

 

CBSソニーはそれを戦略的な「サウンド・サンプラー(音のカタログ)」として、

新しいサウンドキャンペーンやアーティストのカタログ紹介に利用することも多く、

一昨日のエアロスミスの「ワイルド・プラチナム」や

「アダルト・コンテンポラリー・オン・EPIC」などはそっちの線だ。

 

この路線は他にも「Pop,Pop&Pops」「フィラデルフィア・サウンド」

「スーパーディスコアクション」「ウィリー・ネルソン音のカタログ」

「Janis Ian at Her Best(ジャニス・イアンDJコピー)」などが見つかった。

こういうのは発売されていないんだから今となっては貴重だ。

(ジャニス・イアンはエアロスミスと同じように英題でカッコつけている)

 

 

その中に、後のエピックソニー設立(1978年)につながるDJコピーがあった。

1972年、前年に立ち上げた「EPIC/BELL班」の1周年にあたり、

更にレーベルの独立イメージを浸透させたいための

いわば挨拶状みたいな意味合いのものだ。

 

<EPIC SPECIAL DJ COPY>

 

 

A面「American Music on EPIC」

・グッド・フィーリング/ポコ

・ブランデー/ルッキンググラス

・バック・イン・ザ・USA/エドガー・ウィンター

・遥かなる太鼓の響き/レッドボーン

・スペース・カウボーイ/スライ&ファミリー・ストーン

・スワニー河/チェイス

・愛はいつまでも/ボビー・ヴィントン

 

B面「British Sounds on EPIC」「French Pops on EPIC」

・ゴーイング・ダウン/ジェフ・ベック・グループ

・狂ったロスアンジェルス/アル・スチュアート

・アズ・イフ/ソフト・マシーン

・ホールド・ユア・ヘッド・アップ/アージェント

・愛の休日/ミッシェル・ポルナレフ

・心に秘めた想い/ジョー・ダッサン

・愛はなぜ/カラベリときらめくストリングス

 

 

「EPIC/BELL班」とはいわばCBSソニーの「体制内野党」

立ち向かうべき仮想ターゲットはビクターや東芝などの他社ではなく

同じフロアのすぐ横のデスクの列、

S&G、シカゴ、サンタナ、BS&T、ジャニス・ジョプリン、ボブ・ディランなど

錚々たるビッグ・アーティストを擁するCBSレーベルだった。

 

そんな無謀な挑戦を担うスタッフがこのDJコピーに記載されている。

<エピック・レコード担当者>

高久光雄 フレンチ・ポップス

高橋裕二 アメリカン・ミュージック

菅野敏幸 ブリティッシュ・サウンズ

岡田了 プロモーション・マン

野中規雄 プロモーション・マン

西亀圭一 ベル・レコード企画

斎藤成人 ベル・レコード・プロモーション・マン

堤光生 エピック、ベル・レコードを見守る人

 

今見ても個性の激しく強い人が多い。

こんなメンバーをまとめたのが

さらに個性の強い「見守る人」故・堤さんだった。

(正直「見守る」どころじゃなかったケド)

 

この時の胸に秘めた「CBSを倒せ」が後のEPICソニーにつながっている

私の「ビッグアーティストは担当しない、ビッグアーティストを育てる」も、

スーパースターがレーベルにいなかったせいもあるが

CBSソニー洋楽部の小さなこのセクション「EPIC/BELL班」

カリスマ堤さんに叩き込まれ育まれた信条だ。

 

***

 

家のアナログ盤の整理は一応終了した。

扉付きのレコード棚なのでホコリはそれほど感じないにしても

ちょっとカビ臭いような気がするのが心配だ。

レコードやジャケットを1枚づつ全部拭いたりするのは

さすがに気が遠くなるような作業だしなぁ・・・どうしよう。

 

***

 

今日はサウンドサンプラーじゃなく、これ。

アルバム「異邦の薫り(ツインピークス)」(1974年)から

「想像されたウェスタンのテーマ」マウンテン」

 

https://www.youtube.com/watch?v=BKjxPI7ajsU

 

再結成したマウンテン1973年のライブ・イン・ジャパン。

ドノバンの「ライブ・イン・ジャパン:スプリング・ツアー1973」と同じように

 

 

私に(いつかああいうことをしたい)と思わせたアルバムだった。


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