MC5の翌日に島倉千代子もないだろうと言われそうだが
この人の人生の(いろいろ)は、いかにも歌謡曲であり
ドラマチックさはまるでブルースかロックシンガーみたいでもある。
<歌だけ>というこういうタイプの歌手は珍しい。
そのまま映画にもできそうだ。
私にとっての初・島倉千代子は小学校4年生の時の
生まれて初めてのデートのBGM「からたち日記」だった。
デートと言っても同級生の阿部さんと2人下校時に
ちょっと遠回りして利根川の遊歩道を帰る途中のこと、
ちょっと遠回りして利根川の遊歩道を帰る途中のこと、
どこからどうこの歌が聞こえてきたかは定かではないが
「幸せになろうねあの人は言いました」なんてセリフに
妙にドキドキした10歳のませたガキだった。
この歌の1958年は、映画「三丁目の夕日」1回目の時代。
巨人の野球の神様川上が引退し長嶋がデビューし、
今年の田中将大でまたクローズアップされた稲尾が
<神様、仏様、稲尾様>と呼ばれたあの日本シリーズの年だ。
TVが普及し始めアメリカのTVドラマの「名犬ラッシー」
「ローンレンジャー」「パパは何でも知っている」なんかが人気となり
日本モノでは「月光仮面」が放送されていた。
音楽ではロカビリーの始まった頃で、
プレスリーの「監獄ロック」は小坂一也が歌い
ポール・アンカの「ダイアナ」「クレイジーラブ」も日本語でヒットした。
平尾昌章の「星は何でも知っている」もこの年だった。
今でもカラオケで歌うこの曲を
小学4年生のませたガキはまたその中のセリフ
「キッスしないでいられなかったんだ」に
これも恥ずかしがりながらときめいたのを記憶している。
私にとっては洋楽も邦楽もなかった時代、
童謡でも主題歌でもない怪しい≪流行歌≫というものを
意識して聞くようになった年だった。
んじゃ、10歳の利根河原のデートの思い出の歌
島倉千代子「からたち日記」