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Channel: レッツゴー!元日本洋楽研究会
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家庭用アナログ・カッティング・マシーン

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アメリカのアナログ・レコードの売り上げが

一週間で100万枚を超えたという。

昨年の12月20日から26日の週にかけて124万3000枚が購入された。

これは1991年以降29年間で最高の記録になるそうだ。

 

日本の場合、

1976年に約2億枚あったアナログ生産数はCDの登場によって減少、

2009年には約10万枚にまで落ちていた。

ところがストリーミングサービスの普及によりCDのセールスが激減し、

死んだかと思われていたアナログ・レコードが

規模こそ小さかったものの復活し、徐々に数字を回復させ、

2017年には約106万枚を記録、アメリカより2年早く

16年ぶりとなる生産数100万枚超えを達成した。

 

 

その流れを受けて日本でソニー・ミュージックが

アナログの自社生産を再開したのも2017年のことだった。

約29年ぶりにカッティングマスター制作からスタンパー製造、

プレスの生産に至るまでの工程すべてをグループ内で行うようになった。

「ロンドン・コーリング」40周年記念盤ももちろんMade In Japanだ。

 

 

私のいたソニー・ミュージックダイレクトでは

ユーザーのリクエストによってアナログ盤を限定製造販売する

サービスを始めている。

 

http://www.110107.com/s/oto/page/OMV  

 

そんな風に時代が動いている時にこのニュースは面白い。

家庭用のアナログ・カッティングマシーン<Phonocut>の登場だ。

家庭用ということはつまり

<個人でアナログ製造工場が作れてしまう>ってことだ。

 

https://japanese.engadget.com/2019/10/15/phonocut-12-10-15/ 

 

10インチのレコードに片面で15分間収録できる。

いずれ12インチのLPサイズも開発するというが

材質は見知っている塩化ビニールではなく

特殊な材質の音盤に直接音を刻んでいく

我々が言うところのいわゆる「ラッカー盤」なので

そのままかけ続けると当然音質は劣化する。

それでもCDやデジタル音源、自分で演奏した音源、

カセットテープなどからレコード化できる。 

本体価格は約12万円、盤は1000円くらいらしい。

動画がある。1分40秒あたりから具体的な説明が始まる。

https://www.youtube.com/watch?v=r-JC62qnuxI  

 

これがそのまま普及するとはとても思えないけれど

まったくもってそういう時代かと感慨深いものがある。

先輩のYさんがCD時代が始まった1982年に

それまで保有していたLPを「これからはCDだ」と全部処分して

それを自慢気に語っていたことを思い出した。

きっと悔やんでいるだろうと思う。間違いない。

 


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