フォーククルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」は
未練が重すぎて三途の川を渡りきれない死者たちで
酔っ払い運転で死んじまったオラが
<酒は旨いしねえちゃんはきれいだ>と
天国でも飲み続けたあげくこわい神様から
<そんなに甘いもんやおまへん、出てゆけー>
と追い出されて生き返る話だ。
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劇団「風に吹かれて」の第三回公演
≪三途河原町≫
未練が重すぎて三途の川を渡りきれない死者たちで
いつしか賽の河原には繁華街ができあがった。
魔女マリアの経営するバースナック「沼に沈んで」は
皿を数えるオキク、鼠小僧のラットマン、織田信長、
貞子そっくりなサラコなど常連客で賑わっている。
今年も彼らは「ぬましず音楽祭」を計画するが・・・・。
ふじふじこと藤岡孝章の製作・総指揮の下、
彼の愛娘、論理鼠が脚本および演出を担当。
出演者は全員が賽の河原の「沼に沈んで」ならぬ
多少のひいき目を差し引いたとしても今回のは面白い。
プロデューサーふじふじが<音楽の持つ意味>をテーマに
真面目に取り組んだ劇団3部作の完結編は
前2作と比べると目を見張るほどの完成度で仕上がった。
演目自体が一つの楽曲とも言える。
流れと展開にテンポのいいメロディがある。
流れと展開にテンポのいいメロディがある。
だから曲でいう作詞・作曲・編曲にあたる大役を果たした
<論理鼠>の才能こそが称賛に値する。
よく演劇人が漂わせる「クサさ」「理屈っぽさ」
「貧しいけれど文化人」的なものをすべて排除しながら
父と違う品ある演出で知性とユーモアを舞台に散りばめた。
お見事!とても素人技ではない。
お見事!とても素人技ではない。
まさに「この親の才にしてこの子あり」だろう。
素人劇団員たちの演技も前回までのがなり立てるセリフは
影を潜め、メリハリもきいてこれなら次も充分に期待できる。
ただ、劇団員の自作楽曲のレベルがまだ低いので
入場料を頂くにはそこが今後の課題と思われる。
9月7日に大森でもう1回の公演の後、
「帰ってきたヨッパライ」はリタイア後の人生の悲哀歌だと
私は最近そう勝手に解釈して飲み会の話題にしていた。
現世と彼岸の間で「天国よいとこ一度はおいで」と楽しんでる男が
「年とってもまじめに働け~」と
定年延長で仕事場に戻される悲しい歌なんだよって。
定年延長で仕事場に戻される悲しい歌なんだよって。
だけどこの「三途河原町」のエンディングならば
現世も楽しいかもしれないと思う。
現世も楽しいかもしれないと思う。
会場で売っていたCDを買ってないので
ゴダイゴの「ガンダーラ」風主題歌をここでは紹介できない。
ならばポール・サイモンの「母と子の絆」が歌詞的に
論理鼠には合うかもしれないがふじふじは父親だから
ここではやっぱ「帰ってきたヨッパライ」にしておく。
https://www.youtube.com/watch?v=Uyo8gqusRlcならばポール・サイモンの「母と子の絆」が歌詞的に
論理鼠には合うかもしれないがふじふじは父親だから
ここではやっぱ「帰ってきたヨッパライ」にしておく。
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