チープ・トリックの(元)ドラマー、バン・E・カルロス(バーニー)が
自分名義の初のソロ・アルバムを発売する。
(元)とカッコ付きにした理由は
チープ・トリックのドラムスはここ数年ツアーもレコーディングも
ギターのリック・ニールセンの息子ダックスがつとめているので
てっきりバーニーはバンドから脱退したものと思っていたら
裁判の結果バーニーが正式メンバーと認定されバンドも納得したようで
先日のロック殿堂入りのライブも一緒に仲良さそうにプレイしていた。
よくわからないからカッコ付きにしてみた。
そのバーニーのソロ「グリーティングス・フロム・バネズエラ」は
自分の出身がバネズエラ(ベネズエラ)なので
その想いを込めたタイトルということなのだろうが、
ベネズエラって日本人にはあまり馴染みのない国だ。
私もDeNAのラミレス監督の出身国ってことと、美人が多いってことと
社会主義で石油の産出国ということくらいしか知らない。
それが原油価格の暴落でこの国は今大変なことになってるらしい。
インフレ率が来年1642%を突破するって。
これがアメリカとキューバの国交回復の要因の一つにもなったとか。
もしかするとバーニーはこういう状況をわかっていて
あえて母国の名をタイトルにしたのかもしれない。
んでもってアルバムの中味は
多くのゲストを招いての懐かしいロックンロールのカバーアルバムだ。
多くのゲストを招いての懐かしいロックンロールのカバーアルバ
ザ・フー「アルメニアの空」、ローリング・ストーンズ「テル・ミー」、
ボブ・ディラン「悲しみは果てしなく」、ビージーズ「アイデア」、
他にゼムやポール・リビア&レイダースの曲など、
チープ・トリックでは重要な<助演男優>のバーニーが主役を張って
好きな曲を友人たちとやりたいように実に楽しそうに叩いている。
「ティンテッド・ウィンドウズ」(2009年)にバーニーが参加した時の
ハンソンや初代チープ・トリックのヴォーカル、ランディ”ゼノ”ホーガンなど
ヴォーカルが曲ごとに変わるが、バンドのサウンドは
ソロ・アルバムにありがちな独りよがりの音ではなく
選曲もリックと重なるんじゃないかと思えるような曲が並ぶ。
ソロ・アルバムにありがちな独りよがりの音ではなく
選曲もリックと重なるんじゃないかと思えるような曲が並ぶ。
チープ・トリックのスピン・オフ作品と言っていいかもしれない。
当たり前だけどバーニーのドラムスはチープ・トリックそのものだ。
腰が悪いとか体調がイマイチだとか聞いてたけど、叩けるじゃん。
7月9日に「Space」というシカゴの北の方のクラブでライブがある。
できたらもっとライブやりたいとか言ってるぞ。
なんか・・・バーニーのチープ・トリックへの愛を感じてしまうのだ。
オリジナル曲を知らない人でもチープ・トリック好きな人には
ポップで聴きやすいアルバムとなっている。
これからもずっと4人で(5人か)うまくやっていけばいいのにね。
ここからザ・フーのカバー「アルメニアの空」が試聴できる。
でもアルバムを通して聴いて、やっぱロビン・ザンダーのヴォーカルは
チープ・トリックにとっては何者にも換え難いと改めて感じた私ではあった。