1995年2月、
初のアメリカ・ツアーに出発する前日に
ロンドンのホテルから忽然と姿を消した
バンドのギタリストで中心人物の
リッチー・ジェームス・エドワードは、
行方不明のまま13年後の2008年に死亡宣告された。
バンドは「マニック・ストリート・プリーチャーズ」という。
解散消滅の危機を乗り越え、
解散消滅の危機を乗り越え、
残された3人のメンバーが1996年5月に発表したアルバムが
「エヴリシング・マスト・ゴー」で、
その発売20周年を記念する特別盤が今日発売になった。
「マニック・ストリート・プリーチャーズ」のバンド名は
「エヴリシング・・」のリマスターと1997年のライブの2枚組。
マニック・ストリート・プリーチャーズ(通称マニックス)は
ウェールズ出身、リッチーの政治的かつ文学的知的な詞と、
攻撃的ながらメロディアスなギターサウンドで人気があり、
リッチーのいなくなった後も次々に傑作を送り出し
イギリスでは今でも国民的人気がある。
日本には何回かロックフェスなどで来日している。
彼らのアルバムの中では
リッチー在籍最後となった1994年の「ホーリー・バイブル」と、
リッチー失踪後の「エヴリシング・・」が特に傑作と言われる。
が、私はこの「エヴリシング・マスト・ゴー」の方が好きだ。
強いメッセージを歌う硬派バンドが、ストリングスを入れて
このような抒情の音世界を作り上げてるところがたまらない。
リッチーがいなくなった哀しみに満ちているようにも聞こえる。
このタイトル曲以外も「インテリアーズ」「ファーザー・アウェイ」他
捨て曲がまるでないアルバムに
政則さん風に言うなら「涙が止まらない」バラードがある。
(邦画のTV-CMっぽく言うなら「号泣曲」かな)
私にとっての90年代を代表する名曲のうちの1曲だ。
「ア・デザイン・フォー・ライフ」
「マニック・ストリート・プリーチャーズ」のバンド名は
クラッシュの曲「クラッシュ・シティ・ロッカーズ」の影響と言われる。
真相は知らないけどクラッシュの大ファンだったのは確かなようで、
それも正直好ましい。
いつだったか、カメラマンのミッチ・イケダが、
自分の撮った写真がNME誌のカバーになったからと
Tシャツにしたのを私に1枚くれた。
2010年のロンドンで英会話学校にこれを着て行った時、
ブラジル、イタリア、フランスなどから来ている若い学生は
まったく興味を示さなかったが、唯一教師だけが見てすぐに
「ナイスTシャツ、でも悲しい記憶・・・」と言った。
その頃、私が泊まっていた滞在型ホテルは
リッチーが失踪した「エンバシー・ホテル」から歩いて3分の所にあった。
リッチーは今も見つかっていない。
リッチーが失踪した「エンバシー・ホテル」から歩いて3分の所にあった。
リッチーは今も見つかっていない。